中学受験算数勉強方法

算数を教えるまでの学習方法

 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

こんにちは。TANUKIです。

実は私自身は中学受験を経験しておりません。地元の公立中学公立高校国立大学という私立とは縁遠い学歴です。そんな私が初めて中学受験の算数を仕事にしてからこれまでどうやって算数を学習してきたかお話します。受験生やその保護者の方に通ずることもあると思います。

1、最初の衝撃「面積図」
初めて中学受験の子どもが質問にもってきた「面積図」、よく知らない先生にも質問をもってくる子だけあって意味もわからずノートに写しただけの面積図でした。なにをあらわしているのかさっぱりわかりませんでした。それを見たとき、これは特別な勉強がいるなと認識しました。

2、偏差値65の学校の入試問題
先輩に相談したところひたすら入試問題を解いたらいいんじゃないかと言われたのでとりあえず偏差値65くらいの学校の過去問を解いてみる…………解けない。

中学受験の特殊さ、難しさを実感した瞬間でした。学生時代は理系で、数学も得意な方だったので算数が解けないなんて驚きでした。

3、偏差値50の学校の入試問題
偏差値65の学校はすぐに諦めて50の学校を解きました。答えは合わせられる……しかし三平方の定理だとか方程式だとか、関数や三角比を使わないと答えが出せなかったです。これは遠いなと感じました。

4、「入試問題の例題レベルの学習」
まず最初にこれをやるべきだったなとやり始めてから気がつきました。上位の学校でも、例題の組み合わせや応用で出来ることが非常に多いです。

その中には「中学受験特有の初めてみるもの」「高校受験のために中学で学習したもの」「大学受験のために高校で学習したもの」があることに気がつきました。

5、「大学受験のために高校でも学習したもの」
場合の数、数列、数の性質がこれにあたります。場合の数ではコンビネーションに近いことを利用していて驚きました。数列も「等差数列の和」「群数列」「階差数列」まで学習するとはといった感じ。群数列なんて高校でも結構難しめなんですけどね。

6、「高校受験のために中学で学習したもの」
全体的にはこれが多いです。相似などの平面図形や切断を中心にした立体図形もほとんどこちら。比を使って面積を考えることは自分自身中3で必死にやってました。小5くらいでやるので3~4年前倒しでやるんですよね。中学受験経験者が地元公立中に進学したら圧倒的にできるのはこれが理由かとわかりました。数学得意だったのに図形ではなかなか勝てなかったカラクリが10年後にわかったのです。

7、「中学受験特有の初めて見るもの」
文章題全般です。方程式では到底太刀打ちできない問題が出題されるので、問題ごとの特徴を見極める必要があります。とくに比の問題は線分図や面積図、グラフを使うと面白いように解けます。分からないものをXと置いて無理矢理式にする方程式より簡単に解けるし、頭を使うので面白いです。

8、入試問題
一通り基本的な問題を理解したあとは本物の入試問題です。とりあえず偏差値50~65くらいの受験生が多い学校の入試問題をしらみつぶしに解きました。例題で対応できるものが多い中で、これは知らないと解けないなというものがたまに出てくるのでひとつひとつおさえていきます。

また、最初は5校ぐらいの学校を1年ずつ回していましたが、様々な学校の入試問題を解く内に、各学校の入試問題の特徴が見えてきました。ひとつの学校を解くよりいくつかの学校を比較した方がより特徴が分かりやすいなと気がつきました。

このときの経験が、どこの学校とどこの学校が似ているなど今でも指導の役に立っている気がします。

9、年度が新しい問題
50校ぐらいの入試問題を3年ぐらいずつ解いたときに気がついたのは、年度によって新しい問題というものが出てくることです。とにかくたくさん解くことに夢中になっていたのを一度落ち着いてみてみると「最近の流行」なんていうものが見えてきました。3年前はあまり出題されていないのに、今年はいろんな学校で出されているといった感じです。そのため「最新の入試問題」を解くことも実は重要ではないかと気がつきました。

10、中学への算数
その後、現在は月刊誌「中学への算数」を愛読しています。最新の入試問題を各学校揃えるのは骨が折れます。今年のもののみ拾える「中学への算数」はとても使いやすいです。自分の解法を磨くとともに、新傾向の問題をチェックしています。

11、他塾研究
ここまで来た段階で他の塾はどんなことやっているんだろうということで他の塾を調べたりしています。一番はサピックスです。サピックスで基本問題として扱うものが、他のテキストでは隅の方にしかなかったりします。そのあたりはしっかりキャッチして他塾に通っている子に負けない指導をすることを心がけています。

12、そして現在のブログ運営へ
これまで学んできたことを整理して文章にしたいと考えました。最初はノートにまとめていたんですが、まぁ見ないですね。少しでも見やすい形はないかと考えてデータ上に記録することにしました。
なんとなくブログにしてみたところ、意外にもたくさんの方が興味を示してくださったので今はブログ運営にも力を入れていきたいと考えております。

最後は宣伝になりましたが、基本的なことをきちんと理解してから入試問題に入る。自分の志望する学校の特徴一通りをつかんだらあとはいろんな学校の最新の入試問題で練習という流れは受験生にもとても有効だと感じています。他塾研究は受験生にはいらないと思いますけど(笑)

まだまだ奥が深い算数を一緒に攻略しましょう。

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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

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