お子さん、カンニングしています
こんにちは。TANUKIです。
今回はカンニングについてお伝えします。
1、カンニングの弊害
2、カンニングする子の心理
3、カンニングの見つけ方(塾講師)
4、我が子のカンニング
5、【実体験】カンニングしていた子
1、カンニングの弊害
テスト中にカンニングすることによって生じるデメリットは3つです。
1つ目は本当の実力がわからなくなることです。
出来ていないところを隠し、親や先生を欺いているわけですから実力は周りの人には分かりにくくなります。それだけでなく、本人もそれが実力であるかのように勘違いします。「この問題はたしかに隣の子の答えを見たけどやり方はわかるし大丈夫」のように少しずつ自分の罪悪感を軽くしていきます。
2つ目はカンニングが周りに知られると、信頼をなくすことです。友達や先生からの信頼がなくなることで、仮にそれ以降カンニングしていなくても常に疑いの目を向けられることになります。先生はともかく、友達に知られるといじめに発展することもあります。
3つ目はカンニング癖がつくということです。カンニングするとそれが癖になり入試本番でもやりかねません。成績的にはまず合格するだろう子が不合格になることはあります。カンニングしていた子がおそらく本番にカンニングして見つかったのだろうなと感じることは珍しくありません。
2、カンニングする子の心理
カンニングする子で多いのは、「成績が悪くて怒られることを恐れるタイプ」と「自分の成績がいいことを自慢したい誉められたいタイプ」がいるように感じます。どちらも周りが結果主義のために起こる問題です。防止するためには「結果より努力の過程や実際の理解度を重要視すること 」、「結果が急激に上がったときに誉めすぎないこと」が大事です。
3、カンニングの見つけ方(塾講師)
毎年カンニング疑惑が出る子は少なからずいます。カンニングを見つける方法は主に2つです。
・テスト中の怪しい動きを見つける
・答案やテストの結果から見つける
テストの監督をしているとカンニングする子の雰囲気がわかるようになります。少し変わっている子なだけの場合もありますが多くのカンニングする子はよく目が合います。ただし上手な子は悟らせません。上手なカンニング技術を身に付ける前に低学年のうちにみつけることが大切だと感じています。
不振な動きを掴むことに対して、答案や結果から判断するのは比較的簡単です。だいたいどの子がどの問題が出来てどの問題が出来ないだろうなぁということを、塾講師は感覚的に把握しています。その感覚より少し出来ていない子は励ましたり、その感覚以上に出来ている子を誉めたりするわけです。
しかしたまにその感覚から大きくずれる子がいるわけです。それが不正の疑いがある子です。その子の答案データと近くの子の答案データを見比べればカンニングの場合は一発でわかります。
この方法はよく知っている子にしか通じないので、実際の入試ではとられていないです。動きが疑わしい子をあげておいて答案データを照合することはあるかもしれませんが、多くの場合、疑わしい子はそもそもその時点ではねているのではないかと思います。
4、我が子のカンニング
「カンニングの疑いがある」
ぐらいの状態ではまず保護者や本人には伝えません。
「100%カンニングだ」
ということがわかっても伝えないことは多いです。
表題にある「お子さんカンニングしていますよ」なんていうケースはめったにありません。
こちらは間違いないと分かっていても、我が子を信じる保護者の方に「うちの子はやっていないと言っている。決めつけられた。」とトラブルになることは少なくありません。
そんなカンニング問題ですがこちらからはっきりと伝えるケースは主に3つです。
「保護者の方から我が子のカンニングを疑っていると言われた場合」
「周りの子どもに知られてしまい、トラブルに発展しそうな場合」
「他にも素行不良があり塾を辞めてほしいと思っている場合」
我が子を疑うというのは難しいことでしょう。慎重に探っていただきたいところです。
上記にあげたのは「はっきりと」伝えるケースです。
「きょろきょろしている、顔をあげがちで疑われかねない」という言い方をして曖昧に伝えて治ることもあります。
5、【実体験】カンニングしていた子
まず3、4年生は席が近かったら普通にカンニングします。もちろんカンニングなんて絶対にしない、意味ないとわかっている感じの子もいますが、どうしても周りの子の回答が気になってしまう子は少なくありません。さすがに丸写しするような子は対策をうちますが、少し見てしまうぐらいの子は、次のテストで席を少し操作して防止して様子を見ます。座席が離れているのに見ようとする子はまれですが、いた場合は丸写しする子と一緒に要チェックリストにいれておき今後の参考にします。3、4年生でカンニングを個人的に伝えたことは、ほぼありません。丸写しじゃなければそのうち治るかなという印象はあります。
ここ3年間で、5年生以上の子のカンニングしていた子についてです。(仮名)
・ゆうたくん(5年生時)
上位クラスにいるも素行不良で授業中に騒がしかったりトラブルを起こす子でした。テスト中のカンニングもクラスの子が何人も気がつくレベルで覗きこんでいたらしいです。カンニングできなくして成績が急激に下がったのを機に保護者に伝え、退塾されました 。
・ゆかさん(5年生時)
偏差値は30~60。親が相当プレッシャーをかけていた。本人は努力しているので少しずつ出来るようになっていたが、プレッシャーに負けてテストはカンニング(とこちらで判断)。根拠としてはテストの成績は明らかに隣の子が優秀かどうかで決まっていた。カンニングできない座席配置にしたが、今度は成績が下がったことを理由に親に受験を辞めさせられてしまった。この子はカンニングについて本人にも親にも一切伝えていない。
・しょうたくん(5年生時)
授業中の小テストから始まった。明らかに隣の子とすべて同じ答えを書く。エスカレートして模試でもするように。若いスタッフが親に伝えてしまい、親が本人を激怒。そのまま辞めてしまう。親からのプレッシャーは強くなかったので目立ちたい欲からのカンニングと思っている。
・なおきくん(6年生時)
偏差値65ぐらい。自分の答案を見直しする代わりに隣の子の答案を見て間違いを探すタイプ。丸写ししないので見付けにくい。この子はたまたまテスト中の目線が分かりやすかったので見つかった。本人を呼び出しきょろきょろしていると疑われることを伝えた。また自覚がないならこれからきょろきょろしていたら肩をたたくとも伝えた。その後は治ったように感じる。志望校に合格した。
・ちなみさん(5、6年生時)
丸写しタイプ。カンニングできたときとそうでないときの成績変化が激しい。偏差値45~68。親もうすうす分かっているが、本人が認めずなかなか治せないといった感じ。「偏差値60とれなかったら自由時間なし」のような親からの罰則性のハードルが高過ぎて、どんどんひっこみがつかなくなっていた印象。結局偏差値50ぐらいの学校に進学した。
・ゆきさん(6年生時)
算数がクラスで一番できなかった。本人によると模試で悪かったら転塾すると親に言われていたらしい 。偏差値45をとったときに怪しいと感じた。本人ができなかった問題を質問に来たので、できた問題もすべてやりなおしたら、全く解けず、勘で合ってたという問題ばかり。勘では合いません。カンニングした子の常套句です。そのときに散々やりなおしさせられて懲りたのかその一回限りだったように感じる。
・はるなさん(6年生時)
偏差値60前後。この子に関しては他のスタッフは誰も疑っていなかった。(私はすぐに疑うくせはあるのだがそのぶん見つけることも多い)
テスト中は不自然でない程度に目線を動かすだけ。何回分かのテストの答案を細かくみていると難易度の高い問題を間違えたとき、近くの子の誤答と高い頻度で一致していることに気がついてから、注意深く観察して見つけた。
外部の会場で受験する模試のみやや偏差値が低くでたのが特徴。本人によると外部の会場は緊張するとのこと。
本人に、「試験官の何人かが、テスト中の目線で疑っていたと話をつくって伝えてからは、治ったように感じる。偏差値60の第一志望校に合格。
以上よりカンニングしている子
特徴まとめ
・勘で正解したとよく言っている(とくに算数)
・(カンニングできなかったときは)緊張した
・極端にミスが少ない(確認タイプ)
・親のプレッシャー、期待が大きい(結果主義)
・よかったことを自慢したい
対策まとめ
極端によかったときはあまりほめない
結果より過程をほめる
テスト直しでなぜ間違えたか確認させる(人の答案を写した場合は絶対に答えられない。)
あっている問題のやりなおしもさせてみる
勘で合っていることの意味のなさを伝える