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灘中 算数の問題を通して一生使える思考方法を身に付ける 2021年1日目4番 点の移動

2021/12/19
 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

灘中 2021年4番 点の移動

上の図のような正方形ABCDの辺上を3点P、Q、Rが動きます。

点Pは点Bを出発して時計回りに、点Qは点Aを出発して時計回りに、点Rは点Cを出発して反時計回りに動きます。

点Qの動く速さは点Pの動く速さの3倍です。3つの点が同時に出発し点Pと点Rがはじめて出会うのにかかった時間は点Qと点Rがはじめて出会うのにかかった時間の2倍でした。点Rの動く速さは点Pの動く速さの□倍です。

灘中2021年 1日目4

灘の点の移動の問題です。

この問題を通じて応用問題を解くときの方針をお伝えします。

少し考えて頂いてから続きをご覧下さい

問題の特徴をつかむ

この問題最大の特徴はわざわざ正方形が書いてあるのに、長さも書いていないし面積を聞いてくるわけでもないところにあると考えました。

正方形はなんのためにあるの?→道のりの比を利用するためです。

その問題独自の特徴から攻めていくと方針が立ちやすいです。

道のりがわかって、かつ時間についての条件が揃っているから、これは時間の比から速さの比を出す問題だとわかります。

整理するために視覚化する

枠内の数字は横の関係で比を表しています。

Pの速さを①とするとQは③、Rの速さはRとすると次のように整理できます。

PとRQとR
道のり
時間
近づく速さ
旅人算①+R③+R

PR間のへだたりとQR間のへだたりが3:2だとわかっています。

かかった時間は2倍ですから2:1と言い換えられますね。

ですからわり算して近づく速さの比は3:4だとわかったのです。

PとRもQとRも出会い旅人算なので速さの和が近づく速さになります。

①+Rと③+Rです。

3:4= (①+R):(③+R) なので差が2になるように6:8にしてやればいいです。

①+R:③+R=⑥:⑧

Rは⑤だとわかるので5倍です。

ふりかえり

“”問題の特徴を掴む“”→“”視覚化“”という流れでした

途中、○○倍の表現を比の表現に“言い換え”も少ししましたね。

問題の特徴を掴む

視覚化する

言い換える

これらの発想はどんな応用問題でも使える普遍の考え方だと思います。

というか算数に限らずではないかと思います。

もっというと算数という問題を通して、こうした「考え方」の練習が一番大切なのではないかと思います。

子どもが成長して、点Rの速さを出したいことはあまりないかもしれませんが、目の前の問題点の特徴をつかんだり、状況を把握するために視覚化したり、ひとつひとつの問題点を言い換えたりすることは必ず出てくる問題です。

思考方法を身につけて入試も人生も攻略してください。

人生の方は私も攻略している途中ですが…

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