中学受験算数勉強方法

前の結果から次が決まる【問題研究】

 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

こんにちは。TANUKIです。

中学受験算数のなかでも最難関の入試でたびたび出題される前の結果から次の結果が決まる問題についての記事です。

フィボナッチ数列に代表されます。

例えばこんな問題です。

1と2と3だけの和で8をつくる方法は何通りありますか。ただし順番を代えたものも別の式と考えます。

8をつくるために最後に足される数に注目すると

5+3 6+2 7+1 の3パターンがあります。なので5をつくるための場合の数と6をつくるための場合の数と7をつくるための場合の数をだしてたしたら求められます。

このように前の結果を利用できることから小さい順に調べていけば求めることができます。

1をつくる 1のみ1通り

2をつくる 1+1 2 の2通り

3をつくる 2+1 1+1+1 1+2 3 の4通り

4について

1をつくってから3を足す

2をつくってから2を足す

3をつくってから3を足す

の3通りが考えられるので1+2+4=7

5について

2をつくってから3を足す

3をつくってから2を足す

4をつくってから1を足す

の3通りが考えられるので13通り

以上のように前の結果が利用して次の結果が決まることを意識して表にすると

和をつくる数 1 2 3 4 5 6 7 8

最後に1足す 1 1 2 4 7 13 24 44

最後に2足す 0 1 1 2 4 7 13 24

最後に3足す 0 0 1 1 2 4 7 13

場合の数の和 1 2 4 7 13 24 44 81

44+24+13=81通り

(フィボナッチの3つバージョン、トリボナッチ数列になっている)

高校生で学習する漸化式での解法です。

nをつくる場合の数をP(n)とします。

式で書くとP(8)=P(7)+P(6)+P(5)

となります。

同様に

P(7)=P(6)+P(5)+P(4)

P(6)=P(5)+P(4)+P(3)

P(5)=P(4)+P(3)+P(2)

P(4)=P(3)+P(2)+P(1)

P(3)=4 P(2)=2 P(1)=1

を利用して式変形します。

P(8)=P(7)+P(6)+P(5)

=P(6)×2+P(5)×2+P(4)

=P(5)×4+P(4)×3+P(3)×2

=P(4)×7+P(3)×6+P(2)×4

=P(3)×13+P(2)×11+P(1)×7

=4×13+2×11+1×7

=81

もう少し難しい似たタイプの問題がこちらです。

1、2、3だけを合わせて6個使って列をつくります。ただし2の後には3を、3の後には2と3を並べることはできません。その場合何通りありますか。

7個並べた状態から最後の1個を置いたら8個になりますが、7個目の数によっておける数字に制限があります。

1個並べる場合

1、2、3の3通り

2個並べる場合

11 21 31 12 22 13の6通り

1はどの数字の後にもおける

2は1と2の後における

3は1の後にしかおけない

この推移を表にまとめる

並べる個数 1234 5 6

1を最後に 13614 31 70

2を最後に 12511 25 56

3を最後に 1136 14 31

以上より70+56+31=157通り

前の結果を利用する規則性の問題

ぜひ身に付けたいところです。

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