愛知県の中学受験 学校別の特徴と合格に重要な教科、単元 おすすめ受験パターンなどすべて紹介します。
私の塾講師人生において神奈川、埼玉についで長いのが実は愛知です。
全国的には無名の、愛知県にだけ強い某塾に就職して数年働いていたのが実は最初の受験指導だったりします。
愛知県の中学受験事情についてかなり詳しくまとめました。
愛知県で中学受験をお考えの場合はぜひご覧下さい。
一部三重県や岐阜県の情報にも触れていきます。
この記事の内容
愛知県の中学受験 偏差値上位校
愛知県は関東や関西程学校数も受験者数も多くないので偏差値70のような学校はありません。
すごく優秀な子でも灘などの県外名門校を受験することはあってもあまり進学はしません。
なので難関校の学校内でも成績差がかなり大きいのが特徴です。
愛知県の難関校
東海中学、南山中学女子部、滝中学、少し特殊な海陽特別給費
難関校といえばこの４つです。
東海は男子校、南山女子は女子校、滝は共学校です。
海陽は少し特殊で関東でも受験ができるので馴染みがある方も多いと思いますが、全寮制の男子校で上位の一部の子だけ寮費がタダになります。
それが海陽特別給費です。ほかの学校の特待生と違い、入試も別、人数の枠があり、空いたら繰り上げ合格もあることから別の学校のように扱われることが多いです。
愛知県の上位校
南山中学男子部、名古屋中学、愛知淑徳中学、海陽中学、高田中学(三重県)
上位３校(+１)につぐ学校がこれらの学校です。
南山男子と名古屋は男子校です。名古屋の人気がどんどん出てきてレベルは滝に迫るほど、南山男子の方が少し受かりやすいです。
愛知淑徳は女子校です。女子の進学校です。
高田は共学校です。三重県ナンバー１の学校で人気も高いですが、通うには名古屋からは距離があるので、実際は腕試しの前受け受験が多いです。
関東で言うところの栄東の位置づけです。
海陽中学は寮費免除でなかったらこのレベル帯です。寮費が高額でとても通えないというご家庭は選択肢から外れることが多いです。
愛知県のその他人気校
金城学院中学、愛知中学、名電中学、椙山中学、名古屋大学教育学部附属中学
金城学院と椙山は女子校、愛知と名電は共学校です。
名古屋大学教育学部附属中学 は通称 名大附で藤井聡太さんが通っていたことで一大有名になった中高一貫の公立校です。愛知県にはかなりめずらしく人気も高いですが、試験が独特で個別の対策が必要です。
名古屋市外の人気校
春日丘中学(春日井市)、大成中学(一宮市)、星城中学(豊明市)、聖霊中学(瀬戸市)、鶯谷中学(岐阜県岐阜市)、
聖霊以外はすべて共学校です。鶯谷中学は岐阜のトップ校で、岐阜県では比較的通いやすい滝がだめなら鶯谷に進学という子も珍しくないので成績の幅が広いのが特徴です。
聖霊は女子校です。この学校は早くから推薦専願入試を実施していてそちらで決めてしまえば受験勉強が不要になります。
春日丘、大成、星城はどこも似た雰囲気の学校で、高校生になると部活を制限してものすごく学習させる中学です。
授業前に補習、授業後に補習と学習だらけです。
大学実績はよくなるので望んで入学した保護者の評判はいいですが、事前に知らないで入ると大変です。
愛知県の中学受験の日程 併願パターン
関東と違って愛知県ではまだ中学受験はそれほどメジャーではありません。
教育に力を入れている一部の上位層だけの世界なので試験日はほとんど土日にしかありません。
そのため４、５週間に及ぶ過酷な入試期間を過ごすことになります。
２月１日からの５日間もつらいですが、一ヶ月間ずっと週末入試もきついですね。
前の方に第一志望がある子は別ですが、多くの受験生が４つか５つ受験します。
一ヶ月あるので入試を乗り越えて学習することを繰り返してくたびにこの期間で学力はかなり変わります。
併願校選びはとても重要です。
日程についてですが、愛知県は特殊で特定の学校の試験日が昨年と１週間ちがうということがよくあります。
上位の人気校はそこまで多くないですが、学校の作戦なのか年度によって時期が異なるのでお気を付けください。
岐阜県、三重県、一部愛知県の試験が早い学校、県外の寮のある学校
鶯谷中、高田中、海陽中、名古屋女子中、名古屋大学教育学部附属中、西大和中、北嶺中、函館ラ・サール中
海陽は12月から入試があります。それ以外の学校は成人の日前後に毎年試験があります。
女子の多くは名古屋女子から入ります。安全校の位置づけの受験生が多いです。
男子は海陽に入学金を納める余裕のある家庭は海陽が多いです。
それ以外は鶯谷、より上位校で腕試しをしたければ高田を受験します。
西大和や海陽特別給費は最難関レベルなので、東海や南山女子を目指す子もあまり受けません。
名大附は合格したら必ず進学しなければならない学校なので第一希望の子のみ受験します。
愛知県１週目
金城学院中、愛知中、名電中
金城学院と愛知は同じ週なので女の子は選択です。
男子は多くが共学の愛知を受験しますが、前受けで高田や海陽が合格している場合にはこの週は飛ばすこともあります。
名電は愛知より少し入りやすいので、愛知避けで受験します。
愛知中学はいい学校なのですが、あまりアピールする力に長けておらず、入学した子の評判はかなりいいのですが、学校説明会の評判は悪いという少し残念な学校です。
そのため偏差値的には少し低い名電に魅力を感じる保護者も多いようです。
愛知県２周目
南山中学女子部、名古屋中、愛知淑徳中、椙山中
愛知県中学受験女子の最難関 南山女子がこの週です。
南山小の持ち上がりもあり枠は160名と狭くかなりの人気校です。
愛知淑徳、椙山は南山女子の次の日(日曜日)に試験があります。
どちらも人気のある学校ですが、どちらかしか受験できません。
前週の入試結果を受けて受験校を選択する受験生も多いです。
名古屋中学は愛知県で中学受験をする男子の５割以上が受験する学校で、上位の練習校でありなが中堅層の憧れ校という位置づけです。年々レベルが高くなっています。
愛知県３周目
東海中、南山中男子部、滝中
３周目は男子の最難関 東海中と共学のトップ校滝中 男子の人気校南山男子があります。
東海と南山男子が同日土曜日、滝が翌日日曜日の試験です。
東海と南山は昔からライバル関係にある学校らしくどちらかしか受けられないという伝統的な試験日程です。
滝は愛知県の試験最終日にあります。ほかに受ける学校もあまりなく共学校なので、受験者は愛知県でトップの人数になります。
愛知県の私立中学の雰囲気
自由な雰囲気
南山中学女子部男子部、東海中、愛知淑徳中
この４校は自由な校風の学校で、環境は用意した学びたければ学べという雰囲気です。
特に南山男子部は私服通学なのでその自由さがわかると思います。
大学に内部進学する学生はあまり多くありません。愛知淑徳も南山男子も外部受験含めて１割程度です。
面倒見がウリ
滝中、名古屋中、愛知中
学習面に強いのはこの３校です。
滝中学は勉強ができる子かっこいいの雰囲気があり学習に真面目です。学校からの指導も厚いです。
名古屋は徹底した管理で実績を伸ばして人気を上げた学校です。
愛知も科目別の補講など手厚く指導しているのですが、あまり知られていない残念な学校です。
内部推薦が強い学校
金城学院中、椙山中
どちらの学校も内部推薦という道がある分、受験に縛られない教育を受けられるという点が魅力です。
名古屋で暮らすなら金城中高→金城大はもはやブランドになっています。
椙山大学は時代に合った学部を設立するなど少し攻めた女子大です。
人気３校の学校別入試問題の特徴と合否を分ける科目
東海
４科目均等配点です。
どの科目の入試もかなり特徴的で東海中学に合わせた対策が必要です。
国語の記述量はとても多いです。記述が書けるかどうかで国語の出来が決まります。というか記述がかけるかどうかで合否が決まると言っても過言ではありません。国語が極端に苦手だと東海は受かりません。
算数の難易度は非常に高いです。ボーダー上の子は基本的にほかの科目で稼ぐことになります。逆に算数が偏差値70とかある子はほかの科目が悪くても合格出来る可能性があります。普通の子にとっては算数が難しすぎるのと４科目均等配点なので、合否を分ける科目になっていないです。
社会は聞かれる知識のレベルが低いです。代わりに記述解答を求められることが多く、それも定番の聞かれ方ではない答えが複数考えられるような問題もあります。出題者の意図をよみ、正しく知識を引き出す必要がある試験です。
理科の問題は難関校にしては珍しいぐらい知識寄りです。社会と同じく記述解答を求められる問題が多く、出題の意図を外さない解答が求められます。
社会と理科はどちらも知識を前提とした国語の問題です。
圧倒的な算数力か意図を読み解く国語力で合格できる学校です。
今からでも遅くないです。取り組むと確実に成績が上がると評判の国語の問題集を使ってみませんか。
上は保護者の方が一緒に学習できる環境がある場合におすすめです。
そうでなければひとりでも取り組める下がおすすめです。
南山中学女子部
４科目均等配点です。男女どちらもトップ校が４科目均等配点という珍しい地域です。
国語は女子校だけあって流石に難しいです。選択肢が長い問題が多いので、問題の解き方をきちんと身に付ける必要があります。記述問題はそこまで多くなく、難度も易しめなので落とさずとりたいです。
算数は女子校にありがちなスピードが求められる入試です。難度の高い問題と易しい問題の差が広く、上手く易しい問題を拾った子達の勝負になります。そのため差がつくというよりふるいにかけるような試験で、ボーダー上の子はおそらくほとんど差がついていません。引っかかりやすい問題も多く短い時間の集中力、処理能力が試されます。
社会の問題は愛知県で一番難しいです。聞いてくる知識の量もそこそこですが、選択肢がかなり選びづらく、上手に切っていかないと間違えてしまう国語のような難しさもあります。４科目均等配点の学校にありがちなのですが、社会での点数の差はかなり広く、４科目で最も差がつきやすい年も珍しくありません。
理科の問題は難度こそ高くないですが、学校の教科書から多々出題されることが一番受験生を悩ませています。たねを植える時のたねとたねの間隔は何mが望ましいかなど教科書に書いてある数字を覚えておかないといけないテストです。大きく失点しないように知識部分を磐石にしておきたいです。
滝
国算：社理＝２：１の傾斜配点です。
やっと算数が活躍できる学校です。
国語はオーソドックスなつくりをしています。国語が得意な子がしっかりと高得点が取れる問題なので力をつけていくことから逃げることはできません。東海や南山女子とは違い模試と似た形式なのでふだんそこそことれているなら大きく差をつけられることはなさそうです。
算数は大設問数が６題、小問集合の形式でもないので、問題の難度はそこまで高くないですが、苦手な問題を飛ばせなくなり、大幅失点がありうるテストです。見たことのある典型題が多いですが、２割ぐらいは初見のそれなりに難しい問題もあるのではっきり算数で差がつく学校であると言っていいでしょう。滝は算数で決まります。
社会理科は配点が低いので最低限な点数をとって国算しっかりとるという作戦が主流になります。社会も理科も明確な知識問題だけでなく読み取り問題が多く出題されて知識だけでは取りにくい出題です。暗記学習には逃げられません。
滝の合格のためには算数の典型題攻略が一番です。
上で十分ですが、東海や南山女子の難問も考えると少し物足りないので下でも良さそうです。
愛知県の中学受験塾
現在愛知県の中学受験塾といったらほぼ４択です。
１つは主観100％になるので言及を避け名前が全国レベルの３つの塾についてお話します。
日能研(東海法人)
現在、東海中学も南山女子もトップなのが日能研です。
関東の日能研とは法人が違い、関わりはほぼないですが内部での子どもの移籍は可能なので転勤族には便利です。
私が愛知にいた頃にはまだ南山女子合格０人とかだったのですがさすが日能研、大きな塾になったようです。
理屈をじっくり考えさせることや記述をかかせことに低学年のうちから主眼をおいています。
自分で自分を管理させることを学ばせるというスタイルなので宿題は少なく、量こそすべてという価値観の保護者には合わないと思います。東海も南山女子も偏差値60付近の学校で日能研としては全国的にも得意なラインです。
浜学園
関西を本部とする日本一の灘合格者数を誇る塾です。
日能研の３倍は宿題がでます。関西特有の算理が強い塾で、授業のペースも日能研より相当早いです。
愛知県から灘中学を目指すなら浜学園がいいかもしれませんが、テキストはあってもどれだけ優秀な講師を本部ではい愛知県においているかは疑問です。
運営の対応や出来ない子のフォローなどにはたびたび批判の声がある、下の子はさておき出来る子を伸ばす塾です。東海を考えた場合、浜学園の圧倒的な算数力か、日能研の記述力かの選択になりそうです。
一番得意な灘レベルの学校が愛知県にないのは残念です。
馬淵教室
こちらも関西を本部とする塾です。
浜学園とは反対で面倒見の良さをウリとして、とにかく反復させる塾です。
昔ながらの塾の雰囲気が一番あるのは馬淵のように感じます。
できるまでやれ、ただし付き合おう
という感じですね。
わざと意地悪な言い方をすると、子供任せの日能研と上位しか見ない浜学園に対して子供を管理する馬淵のように感じます。
まとめ
以上今回は愛知県の入試情報でしたが、他にも中学受験に関わる様々な情報を掲載しています。
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