【全学年可】灘中算数 数論 あまりを考える問題で得られる思考力 2021年5番
今回の問題はかけ算わり算がわかっていれば低学年でも挑戦できる問題です。
将来、灘中学を考えていてもいなくても、ぜひ取り組んでみてください。
あまりを考える問題は灘中算数で頻出
Aは2桁の整数で、A×Aを15で割ると1あまります。このようなAは全部で□個あります。
灘中2021年 1日目5
シンプルな問題ですね。
2桁の数なので11から99までの90個の数字のうちいくつが条件を満たせばいいか考える問題です。
15の倍数は絶対に違うので15、30、45、60、75、90を除いた84個を試せば間違いなく求められますがさすがに大変ですね。
今回はこの問題を使って算数で学べる思考方法をお伝えしていきます。
少し解いて見て十分考えたら下に進んでください。
答えは26個です。
この問題、灘合格には必須レベルです。
順に解説します。
「具体的に実験する」は灘中算数 を筆頭に多くの難関校で必要な視点
実際に試してみましょう。
ただ今回与えられている2桁という条件は気にせず計算しやすい1から試して情報を得ます。
1×1=1→あまり1◎
2×2=4→あまり4×
3×3=9→あまり9×
4×4=16→あまり1◎
5×5=25→あまり10×
6×6=36→あまり6×
7×7=49→あまり4×
8×8=64→あまり4×
9×9=81→あまり6×
10×10=100→あまり10×
11×11=121→あまり1◎
12×12=144→あまり9×
13×13=169→あまり4×
14×14=196→あまり1◎
15×15は間違いなく15で割り切れる
ここまででを観察するために【視覚化】してみると
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
1 | 4 | 9 | 1 | 10 | 6 | 4 | 4 | 6 | 10 | 1 | 9 | 4 | 1 | 0 |
7と8を切れ目に左右対称になっていますね。
このようにあまりには何かしら規則が見つけられることが多いです。
もう少しだけ調べてみます。
16×16=256→あまり1◎
17×17=289→あまり4×
18×18=324→あまり9×
19×19=361→あまり1◎
これで完全につかみましたね。
繰り返しです。周期は15
今回ちょうど90個の数を考えているので6周期とぴったり一致する
4×6=24個
あまりで分類するという話
実はこの問題このように解く灘受験生は合格者の中にはほぼいません。
初めはこのようにであった問題だと思いますが、知識として持っていることがあるわけです。
計算してからあまりを求めても、あまりをもとめてから計算してあまりを求めても同じになる
最初から1~14までの数でいくつ該当するものがあるか調べればわかった上で取り組む受験生がほとんどです。
さらに15で割って3あまる数は3で割り切れるので二回かけても3で割り切れるということがわかれば絶対にあまり1にならないこともわかるかもしれません。
同じ理由で、5、6、9、10、12も除外されます。
1、2、4、7、8、11、13、14だけ調べたらいいので手間はかなり削減されますね。
平方数のあまりの対称性まで経験していたら1247の4つ調べて周期で終了です。速すぎる。
知っていると違うことはたしかにありますが、根本にあるのは基本的な思考方法【具体的な数で実験してみる】というところにあります。
難しい問題に出会った時に、手をとめて考えるのではなく、とりあえず手を動かして実験してみることを大切にしてくださいね。
そのほかおすすめ
灘中 算数 文章題のポイント 応用問題の学習に必要なのは解法でなく視点 2021年1日目2番
灘中算数 場合の数応用問題の大事な視点 2021年 一日目3番
灘中 算数の問題を通して一生使える思考方法を身に付ける 2021年1日目4番 点の移動
灘中2021年度コレクションです。
知っておかないといけない解法もありますが、初見の問題を前にした時の振る舞い方を研究して欲しいです。
【無料有り】計算の工夫を極める問題集がついに完成しました。【半額有り】
灘中に合格する子はみんな意識している計算の工夫方法です。
中学受験に必要なものをすべて集めています。
現在売れ行きがいいので半額もいつまで続けようか思案中です、お早めにご確認ください。
そのほか公開している問題集、プリントなどのnote記事です。
無料で利用できるものも多くご用意しています。ぜひどうぞ。
算数は得意だけど国語は……という方のための記事です。
国語も算数と同じく解き方があります。
それを見につけられるかが勝負です。