中学受験算数勉強方法

約数の個数を研究する

 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

こんにちは。TANUKIです。

今回は約数の個数の記事です。

まず確認ですが、約数とは「その数を割りきれる整数」のことです。

10なら1、2、5、10の4個

12なら1、2、3、4、6、12の6個

といった感じです。

その中でもまず押さえていないといけない基本的なものは

・約数が2つの数

・約数が偶数個の数

・約数が3つの数

あたりでしょう。

「約数が2個」

素数は約数がその数と1だけなので約数が2個になります。反対に約数が2個の数はその定義から素数であると言えます。

「約数が1個」

ちなみに1は素数ではありません。1でしか割れないので約数は1個ですね。約数が1個の数は1だけです。

「約数が奇数個」

約数はペアで探していくと見つけやすいですよね。なので基本的には偶数個あるんです。でもたまに奇数個の場合がありますね。ペアを探していくと同じ数同士でペアを組むことになる16みたいな数です。16の約数は1、2、4、8、16の5つです。約数が奇数個になる数はこのように4×4のように同じ数の積で表される平方数になります。

「約数が3個」

ちなみに約数が3個だと、平方数をつくる数の他に1とその数だけになるので素数を二回かけた数になります。

9や25ですね。

ここまでは5年生の間に押さえておきたい約数の個数の知識になります。

ここから応用編です。

「約数が4個」

【A×B型】

約数が4個の数といえば6、10、14、15などです。どういった数が約数が4個になるかわかりますか?

秘密は素因数分解にあります。

6=2×3 10=2×5 14=2×7 15=3×5

のようにこれらの数は素数二つの積になっています。その数自身と1の他に2つの素数で割れるわけです。

なので例えば7×13=91も約数が4個

11×19=209も約数が4個になるのです。

【A×A×A型】

約数が4個の数は他にもあります。8や27など同じ素数を三回かけた数です。1とその数自身の他に、素数と素数の平方数で割ることができます。約数が4個の数はこのパターンもあります。

「ある数の約数の個数を考える」

例えば12=2×2×3の約数の個数について

2で2回3で1回割った12

2で2回3で0回割った4

2で1回3で1回割った6

2で1回3で0回割った2

2で0回3で1回割った3

2で0回3で0回割った1

が12の約数になります。

2の選択肢が3つ、3の選択肢が2つあるので3×2=6個

と約数の個数を計算で求めることができるのです。

他の例

28=2×2×7

2が3つ7が2つの選択肢なので3×2=6個

108=2×2×3×3×3

2が3つ3が4つの選択肢なので3×4=12個

と約数の個数を求めることができます。

発展編(研究)

「約数の個数で分類する」

・約数6個(32、12、18、20など)

A×A×A×A×A型

A×A×B型

・約数8個(128、24、54、30など)

A×A×A×A×A×A×A型

A×A×A×B型

A×B×C型←約数の個数が8以上の4の倍数になると3種類の素数の積の形もある

・約数15個

Aを14回かけた型

A×A×A×A×B×B型

どちらの型も約数が奇数個なので平方数になる。上はAを7回かけた数の平方数、下はA×A×B型の平方数になる。

約数の個数が複雑な合成数になるとそのぶんパターンも増えることになる

・約数12個

Aを11回かけた数(2048など)

Aを5回Bを1回かけた数(96、1215など)

Aを3回Bを2回かけた数(108、392など)

ここまで考えるのは興味があったらでいいですが、応用が効くので知っておいて損はないかなといった内容でした。

~今回の育テ(難関)で出ていたので扱ってみました。

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