差がつきやすい3つの四角形
四角形の性質で難しい、ややこしいのはこの3つです。
ひし形、長方形、平行四辺形
意外なものがランクインしている。台形がないぞ、おかしい
という意見も聞こえてきそうですがよく間違えるのはこの3つです。
まずこの3つの四角形の定義を確認しておきましょう。(図形の定義が大事という話はこちら)
ひし形…すべての辺の長さが等しい
長方形…すべての角の大きさが等しい
平行四辺形
定義1 向かい合う辺が平行
定義2 向かい合う辺の長さが等しい
定義3 向かい合う角の大きさが等しい
平行四辺形の定義だけ3つもあってとてもややこしい。これは3つのうちの1つでも成り立てば残りの二つは自動的に成り立ち、平行四辺形になることを意味しています。角と平行は互いに錯覚、同位角の関係を持ち出すことで説明できます。辺の長さ絡みは合同を使って説明ができます。
この定義をよくみるとひし形はすべての辺の長さが等しいので、当然向かい合う辺の長さも等しい。ゆえに平行四辺形であることがいえます。ひし形は平行四辺形の一種なのです。
同じように、長方形はすべての角が等しいので向かい合う角は当然等しくなります。ゆえに長方形は平行四辺形なわけです。平行四辺形は向かい合う辺の長さが等しいので、ちゃんと長方形も向かい合う辺の長さは等しいですね。
もうひとつ併せておさえておくといいのが対角線についてです。
平行四辺形は2本の対角線が中心で交わる
ひし形は2本の対角線が中心で垂直に交わる
長方形は2本の対角線の長さが等しく、中心で交わる
ご覧のようにひし形も長方形もともに平行四辺形の能力は持っているわけです。両方共平行四辺形だから当たり前ですが。そして両方を兼ね備えた存在である正方形の対角線が同じ長さで垂直に交わるのも納得できると思います。対角線について間違えやすいのは、対角線はおまけの能力であってそれぞれの定義では決してないということです。
つまり対角線が垂直に交わるけどひし形ではない図形や対角線の長さが等しいが長方形ではない図形が存在するわけです。等脚台形は対角線の長さが等しいですし、ひし形を学習する際に必ず出てくる通称たこ型も垂直に交わりますよね。
ちなみに少しハイレベルな話だと対角線が垂直に交わる平行四辺形はひし形になったり、実は対角線が中点で交わるだけで平行四辺形になったりするのですがこれはちゃんと証明が必要な話です。余裕があったら考えてみてください。
あとはそれぞれの面積の公式の意味をしっかり理解することです。面積の定義はそもそも正方形の広さから来てますから、長方形は正方形に切り分けることで面積を計算します。あとは平行四辺形は移動させて長方形にする、とかひし形は周りを囲んで長方形を作るとか長方形が元になっています。そういった公式の説明ができるかこそ大事なことで、公式の丸覚えしているだけの子は複雑な図形の解き方もすべて丸覚えでしか対応できなくなります。必ず意味を言えるようにしておきましょう。
まとめ
ひし形、長方形、平行四辺形の
①定義を知っている
②対角線の性質を知っている
③公式を理解している
ということが大切です。