分数の学習でもっとも大切なこと~低学年での対策
こんにちは。TANUKIです。
分数の学習で子どもが一番苦労することってなんだかわかりますか?
それは「約分」です。
2つの数から共通の割れる数を探すというのは数の感覚が乏しい子どもにとってとても難しいことです。
私は2、3、4年生の授業をする場合でも、5年生になったときに約分ができる子にするための練習を日々いれています。そのぐらい約分というのは習得に時間がかかるものなのです。
とにかく練習量を増やし、間違える経験から学ぶということもできますが、あらかじめどのように考えたらいいかの方針を持っておいた方が早く上達します。
今回は
①約分のポイント
②低学年のうちからの対策方法
をお伝えしていきます。
①約分のポイント
1、必ず分母と分子を同じ数で割ること
慣れないうちは分母を分子と違う数で割
ってしまいます。多いのは6/15という分数を分子を3で割って2にしたことを覚えていて、分母をつい5で割ってしまうケースです。大人がみるとわけがわからない計算ですが意外と多いです。
最初6÷3や15÷3の式を残すのも手です。
2、帯分数のまま約分すること
小学校では帯分数を嫌うようです。
その影響で仮分数しか使えない子が一定数いますが、約分や足し算引き算では帯分数が有効です。帯分数のまま約分する練習を積みましょう。
3、チェックすべき3つの数を知ること
約分忘れのほとんどは難しい数で割ることを気がつかなかったものではなく
2の倍数、5の倍数、3の倍数
に気がつかなかったケースです。
2の倍数と5の倍数は1の位
3の倍数は各位の和を見ればすぐに確かめられます。
約分が定着した子は約分していない分数を見て「キモチワルイ」と感じます。
そのレベルに達するまで約分は意識的に確認しましょう。最初のステップとして2,3,5は絶対という意識を持つことが大切です。
4、よくある2種類のパターンを知ること
2、5、3を必ずチェックするようにしていも間違えてしまうことはあります。そこで簡単なチェックをもう2つ知っておきましょう。
・分子で分母が割れないか確かめる
・分子分母の差で約分できないか確かめる
これで多くの問題の約分を発見できます。
5 、仕上げに分解してチェックすること
2と3と4の方法で分母分子はかなり小さくなりますがまだ見落としは0ではありません。最後に分母か分子の片方を素数の積で表しましょう。
簡単な例ですが
14/35
この分数は3、4のやり方だと約分は発見できないので意外と難しいです。九九に苦労した子はまず解けないでしょう。
3のポイントから14が2の倍数であることはわかっているので
14=2×7
から7で割る発想を持つことができます。
この方法を加えることで約分の95%以上ができます。
※最強の約分方法は「分母分子の差の約数で割る」です。これを習得すると100%約分することができます。約分が身に付いてきた段階で知るとより理解が深まります。
②分数を習うまでの低学年時の学習方法
2年生
【数を分解する】
10人いる子どもを同じ人数ずつグループ分ける方法を考えよう
1+1+1+1+1+1+1+1+1+1
2+2+2+2+2
5+5
があります。
簡単なので子どもでもすぐにできます。
これと同じ事をいろんな数で練習することができます。
これは「約数」です。
かけ算を習う前から約数は練習できるのです。
3年生
【数のパズル~10パズル】
3、5、6、9で10をつくろう
などです。この3569や10の数を変えていくことで数の感覚を掴みます。
10=2×5 のような形をつくることで解きやすくなる問題を意図的にいれていきます。今回でしたら5があるので残りの3、6、9で2をつくろうと思えば簡単に解くことができます。
これを半年毎週やっているクラスは、やっていないクラスと比べて、約分の学習がとてもスムーズにいきます。
4年生
【小数のわり算を筆算しない】
整数のわり算を筆算でなくてもできる子向けの話です。
64÷4などの計算は暗算でできるのに
6.4÷0.4になるととたんに筆算を始める子がいます。
「小数点をずらす」
で覚えているからです。そうではなくて割る数と割られる数をともに10倍すると考えましょう。ともに同じ数をかけたり、割ったりしても答えが変わらないことを4年生の間に徹底的に練習することで、約分の感覚は磨かれていきます。
中学受験に関係なく分数の計算は多くの小学生がつまずくポイントです。ぜひこの学習方法を習得してください。