中学受験算数勉強方法

倍数算の2つのパターン

2018/05/08
 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

倍数算とは私の塾では5年生の後期に学習する単元で、比をつかった文章題の代表的なもの。毎年多くの中学で出題される必須問題だが下位クラスの子は多くがこの問題に頭を悩ませる。全てのクラスで学習する典型的なものは次の二つのタイプ

「差一定の倍数算」
「和一定の倍数算」

この二つをしっかり覚えることが比の文章題の第一歩になる。といっても典型題ではあるが偏差値50付近まではこのまま出題されることもあるレベルの問題だ

「差一定」
二つの差が変化しないタイプの問題。二人が買い物をしたり、年齢の問題がこれにあたる。

ポイント
・差を考えるために線分図は縦に並べる
・差を見やすくするために減らす、増やすは左側から

「和一定」
二つの和が変化しないタイプの問題。二人がお金や物をやりとりする問題がこれにあたる

ポイント
・和を考えるため線分図は横に並べる
・比の和が等しいことを利用してやりとりした分の比をだす

以上がポイントになるが間違えやすいところは人によって他にもある。
・比の基準が変わるときは記号を変える
・比1あたりの量を考える
・比が二つあるときは片方をもう一方に変える

私が授業をする場合、下位クラスと上位クラスで明確に教え方を分けている。上位クラスでは比が二つ出るときは必ず公倍数を使うが、下位クラスではなるべく分数にする。分数の方が分かりやすく、公倍数の方が計算がしやすい。どちらを選択するかは人それぞれでいい。

また上位クラスに関しては和一定の問題で割合の面積図も見せる。縦を全体に対する片方の割合、横を全体にすることで面積を片方の量にして変化量から答えを出す。これは面積図でも解けるようにするというよりかは面積図を自由に考えてもらうためであり思わぬところで線分図より解きやすかったりする(当然線分図でやると思っていた問題を生徒が面積図で鮮やかにといたりして驚かされることもある)

倍数算の「差一定」と「和一定」
今後もっと難しい文章題に取り組んでいく上ではずせない典型題となるのでぜひ早いうちにできるようにしたい

比の基本「比を簡単にする」についてはこちら

3つの比の基本操作はコチラ

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