中学受験 速さと比 を上手くつかうためのとても簡単な原則と 速さと比の 問題から9題まとめ
中学受験 速さと比 のとても簡単な原則
中学受験 において 速さの比 の問題は上位生から下位生までとにかく苦手な受験生が多いです。とくに 速さと比 が絡んでくると問題のバリエーションが多いせいかかなり正答率が下がります。速さと比を攻略する大原則はこちらです。
大原則
「道のりか時間か速さ、わからないところを一つ比でおいて、一つは比で計算する」
聞かれているものが比ではなく具体的な量(道のり、時間、速さ)の場合、必ずどこかに具体的な量があります。その際に、必ず使うのが「速さ×時間=道のり」という関係です。この関係を元に、わからない数を比でおいて計算していきましょう。
中学受験 速さと比 の 問題パターン9選
実際に 中学受験の 速さと比の 問題を見ていくと、パターンが多すぎてとても暗記して解くようなものではないですが、実はその多くが「歩いた時間が同じ」か「歩いた道のりが同じ」ケースです。これが難しくなると「歩いた時間の比がわかる」「歩いた道のりの比がわかる」問題として出題されますが基本は最初の2つになります。
そして、どの問題も大原則である「道のりか、時間か、速さ、わからないところを一つ比でおいて、一つ比で計算する」ことが大切です。
①急いだので予定通りについた
家から学校まで分速60mでいつも歩きます。
今日は出発が10分遅くなってしまったので分速80mで走って行ったところいつもと同じ時間につくことができました。学校までは何mですか。
②出会う地点
兄は家から学校まで分速100mで歩き、弟は学校から家まで分速60mで歩きました。家から学校までの道のりを400mとすると、二人が出会った地点は家から何mですか。
③往復してすれ違う
家から学校まで1.5kmの道のりを兄と弟が歩いて毎日学校にいきます。
兄と弟の速さの比は3:2です。
ある日、兄が学校についた直後、忘れ物に気がついて家に引き返しました。
兄と弟が出会うのは家から何kmのところですか。
④往復する
同じ道を行きは分速120m、帰りは疲れて分速80mで歩き往復したところ75分かかりました。道のりは何mですか。
⑤速さを変えると何分変わる?
家から学校までの道のりを分速100mで行くと朝礼より5分早くつきますが、分速80mで行くと朝礼に3分遅刻します。学校までの道のりは何mですか?
⑥一緒にゴールする
100mを兄と弟が走ったところ兄は12秒、弟は15秒でした。兄がゴールしたとき弟はあと何mの地点にいますか、また兄と弟が同時にゴールするには兄は何m後ろからスタートしたらいいですか?
⑦出会い
A駅とB駅の間を二本の電車が走っています。A駅から急行電車が、B駅から特急電車が同時に出発したところ、5分後に両方の電車が同時にある地点ですれ違いました。その3分後、特急列車がB駅に着きました。
応用問題
⑧3人の旅人算
A君とB君が池を時計回りに、C君が反時計回りに同じ位置から歩き始めました。A君とC君が出会ってから6分後にBくんとC君は出会いました。A君B君C君の速さの比が10:8:7のとき、A君が池を一周するのにかかる時間は何分ですか。
⑨線路の横を歩き続ける
A駅からB駅に向かって、線路にそって歩き続けます。B駅から来る電車とは2分おきにすれ違います。A駅から来る電車には8分おきに追い越されます。どちらの方向の電車も常に同じ間隔で運行しているとすると、電車の運行間隔は何分ですか?
以上のように様々な 速さと比のパターンがあります。原則を守りながら基本的な問題を練習することで応用問題の解説に書いてあることも少しずつ理解できるはずです。ぜひ参考にしてください。まずは上記の問題が解けるかどうか確認するといいでしょう。
一応解説も下に載せておきます。
速さの全体像はコチラ
速さと比 の問題の解説
①
家から学校まで分速60mでいつも歩きます。
今日は出発が10分遅くなってしまったので分速80mで走って行ったところいつもと同じ時間につくことができました。学校までは何mですか。
道のりが同じなので道のりを4800とします。
60×□=80×△=4800とするとかかる時間は80︰60 =40:30です。差が10分なので40分と30分とわかります。60×40=2400mです。
②
兄は家から学校まで分速100mで歩き、弟は学校から家まで分速60mで歩きました。家から学校までの道のりを400mとすると、二人が出会った地点は家から何mですか。
今度は出会うまでに歩いた時間が同じです。出会うまでの時間を1とすると兄は100、弟は60の道のりを進むので出会ったときには合わせて160の道のりを進むわけです。家からは兄の進んだ100ですね。
160が400mになるので400÷160×100=250m
③
家から学校まで1.5kmの道のりを兄と弟が歩いて毎日学校にいきます。
兄と弟の速さの比は3:2です。
ある日、兄が学校についた直後、忘れ物に気がついて家に引き返しました。
兄と弟が出会うのは家から何kmのところですか。
これも二人がスタートしてから出会うまでの時間が同じです。出会うまでの時間を1とすると出会うまでに進む道のりは3と2になって合わせて5進むことになります。
二人が進んだ道のりは、兄が片道一本分と、引き返してからの兄と弟合わせて片道一本になるので合わせて往復分。5が3000mです。
家からの道のりは弟が歩いた2なので3000÷5×2=1200mです。
④
同じ道を行きは分速120m、帰りは疲れて分速80mで歩き往復したところ75分かかりました。道のりは何mですか。
道のりが同じなので960としておきます。
120×□=80×△=960
□=8 △=12 ですね。
かかる時間は8:12=2:3=30:45
合わせて75分なので30分と45分ですね。
120×30=3600 mです。
⑤
家から学校までの道のりを分速100mで行くと朝礼より5分早くつきますが、分速80mで行くと朝礼に3分遅刻します。学校までの道のりは何mですか?
道のりが同じなので400とします。
100×□=80×△=400なので
かかる時間の比は4:5になります。
5分早くつくのと3分遅刻するのは8分違うことに気をつけるとかかる時間の比から32分と40分とわかります。
100×32=80×40=3200mです。
⑥
100mを兄と弟が走ったところ兄は12秒、弟は15秒でした。兄がゴールしたとき弟はあと何mの地点にいますか、また兄と弟が同時にゴールするには兄は何m後ろからスタートしたらいいですか。
「兄がゴールした時」とは12秒のことですね。弟は15秒で100m進むので12秒で何m進むかは比例で簡単に求められます。100×12/15=80mなのであと20mの地点です。
「兄と弟が同時にゴールする」とは15秒でゴールことになりますね。兄は12秒で100mなのであと3秒分だけ後ろに下げればいいです。100mの1/4で25mです。
⑦
A駅とB駅の間を二本の電車が走っています。A駅から急行電車が、B駅から特急電車が同時に出発したところ、5分後に両方の電車が同時にある地点ですれ違いました。その3分後、特急列車がA駅に着きました。急行電車がB駅につくのは2台がすれ違ってから何分後ですか。
二台が出会った地点をC地点として、AC間に注目します。
AC間は急行列車は5分、特急列車は3分かかるので
急×5=特×3=15とすると急行列車と特急列車の速さの比が3:5だとわかります。
BC間は特急列車は5分かかるので5×5=25の道のりです。25÷3=8分20秒と求めらます。
⑧
A君とB君が池を時計回りに、C君が反時計回りに同じ位置から歩き始めました。A君とC君が出会ってから6分後にBくんとC君は出会いました。A君B君C君の速さの比が10:8:7のとき、A君が池を一周するのにかかる時間はどれだけですか。
AとCが出会うまでの時間は
道のり÷(10+7)
BとCが出会うまでの時間は
道のり÷(7+8)
道のりを17と15の公倍数255とすると、時間の比は15:17になる。
この違いが6分なので45分と51分とわかる。
道のりは17×45=15×51=765
765÷10=76分30秒
⑨
A駅からB駅に向かって、線路にそってバイクで走り続けます。B駅から来る電車とは2分おきにすれ違います。A駅から来る電車には8分おきに追い越されます。どちらの方向の電車も常に同じ間隔で運行しているとすると、電車の運行間隔は何分ですか?
電車の運行間隔を□分とすると電車同士の間の道のりは(電車の速さ)×□になります。
電車に出会ってから次の電車までの道のりも、電車に追い越されてから次の電車までの道のりも等しいので、
道のり÷出会いの速さ=2
道のり÷追い越しの速さ=8
道のりを8とすると出会いの速さは4、追い越しの速さは1になります。
出会いの速さは電車の速さとバイクの速さの和、追い越しの速さは電車の速さとバイクの速さの差になります。
和が4、差が1なので、電車の速さが2.5 バイクの速さが1.5になります。
道のりは8なので2.5×□=8なので
8÷2.5=3.2分です。