中学受験算数勉強方法

割合最大の難関、売買を攻略する

2018/05/08
 
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TANUKI
大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

こんにちは。TANUKIです。今回は割合と比の文章題、「売買」の単元についての記事になります。

売買は割合の単元の中ではもっとも難しいと考えます。利益、損失、割引、消費税、個数など様々な設定があり、この問題はこう解くのような解法暗記が通じにくいのが特徴です。そういう単元こそ基本的なことを覚えるのではなくしっかり理解して使えるようにしないといけません。

売買のポイントは次の5つです。
・言葉の意味
・割増し、割引きに注意
・基準がかわるところ
・二つの割合の関係を掴む
・個数に対する二通りのプロセス
言葉の意味を理解する
売買の問題は普段小学生が使わない言葉が登場します。似たような話が、素数、公倍数、公約数や図形の四角形の名前(定義)にも言えるが知らないと話にならない基本的な言葉なのでまず覚えないといけない。

割合……何倍か。基準がなにをあらわしているか常に注意する。

原価…店が買った値段。仕入れ値ともいう。
定価…店がつけた値段。これをすべて原価以下にしていると店はつぶれてしまう。
売値…実際に店が売った値段。売れないなら値引きしてでも売る。場合によっては原価より安くすることもあるのを小学生には理解しにくい

利益…もうけ。原価より高く売ればもうけがでる。見込みの利益と実際の利益という言い回しで意味が変わってくるので注意。
損失…いくら損したか。原価より低い値段で売ると発生する。売れずに捨ててしまうと原価がまるまる損失になる。

割引き…何倍か減額すること。3割引きなら0.3倍減るので元の0.7倍になる。定価が基準のことが多い。
消費税…店に払う売値とは別に国に納める税金。消費税◯◯%とは売値の何倍かを表す。

割増し割引きに注意
例1 ある品物に原価の2割の利益を見込んで定価600円をつけました。原価はいくらですか

例2 定価ではなかなか売れないある商品を3割引きの2100円で販売しました。定価はいくらでしたか。

この手の問題はもう本当に子どもは好き放題計算します。
600÷0.2してみたり600×0.2してみたり600×0.8してみたり600÷0.8してみたりすべて600×1.2してみたり間違いの種類が多すぎます。あっている子も偶然の場合があるのでしっかり、なぜ割るのか、なぜかけるのかにこだわっていきたいところです。

例1 原価の2割の利益とあるがこれは原価の0.2倍もうけをいれたのが定価ということ。ゆえに定価は原価の1.2倍になる。なので600÷1.2=500円

例2 定価の3割引きとは定価0.3倍値引きをするということ。なので売値は定価の0.7倍になり、それが2100円。2100円を0.7で割って3000円が定価になる。

言葉の意味ひとつひとつをひもときながら、割引き、割増し(見込みの利益)を考えていくことが大切です。お子様の学習を見る場合はそこがわかっているか説明させることが大事になります。

基準が変わるところ
同じく割合の単元の相当算でも同じポイントが必要になります。そちらで修得済みだとラクになります。割合は原価、定価、売値の3つの金額で自然に割合の基準を変える出題がされます。

例 原価に3割の利益を見込んで定価をつけましたが売れないので定価を2割引きして5720円で売りました。原価はいくらですか


やりがちの間違いです。定価は原価の1.3倍。売値は定価から2割引いたので1.1
5720÷1.1=5200円。定価にとっての2割は原価にとっての2割より大きくなっているので、同じ数字になりません。


5720円は定価の2割引きなので定価の8割にあたる。5720÷0.8=7150円
定価の7150円は原価の3割増し。原価の1.3倍が7150円なので7150÷1.3=5500円

このように基準が変わるときには注意が必要です。

二つの割合の関係を掴む
このあたりからは典型題とはいえ入試問題典型題、学校によってはそのまま出るレベルなので少し難しい内容です。


原価に5割の利益を見込んで定価をつけたが売れなかったので2割引きで売ったところ利益は240円でした。原価はいくらですか。

これは先程の問題と違って240円から遡っていくことができません。割合の文章題の基本は、今回では240円という実際の値にあたる割合を求めることですので、なんとか最終的の利益の割合が知りたいところ。そこで割合同士の関係を掴む必要があります。


定価は原価の1.5倍になる。また売値は原価の0.8倍になる。つまり
原価→(1.5倍)→定価→(0.8倍)→売値
これを、一回で表すと1.5×0.8=1.2なので
原価→(1.2倍)→売値になる。
売値は原価の1.2倍なので利益は売値の0.2倍。それが240円なので240÷0.2=1200円

割合に割合をかけるところが少し高度でしたね。

個数に対する二通りのプロセス
個数が絡む売買の問題はなかなかやっかいです。ただでさえ金額に割合をかけて増えたり減ったりしているところに個数までかけて総額を聞かれたり、総利益を聞かれたりします。そんな個数の問題は次のポイントを意識しましょう。

個数の問題のポイント
1.とりあえず個数はおいておいて1個あたりの金額を出す
2.総原価と総売上を出す
3.総利益を出す

ちなみに2、3をアレンジして
2、それぞれの金額での利益損失を出す
3、総利益を出す

という手法もあります。実際の問題で説明していきます。

例 ある商品をたくさん仕入れ、そのうちの80%を定価の2割増しで、残りを定価の2割引きで売ったところ3800円の利益が出ました。商品を仕入れるのにかかった総額はいくらですか。

解1 アレンジ前
まず定価と割引き後の売値を計算します。定価は原価の1.2倍。割引き後の売値は1.2×0.8=0.96
商品の総原価は1×100%=1
商品の総利益は
1.2×80%+0.96×20%=1.152

1.152-1=0.152
3800÷0.152=25000円

解2 利益のみ追いかける
定価は原価の1.2倍。割引き後の売値は原価の0.96倍までは同じ。
定価で売った場合の利益は0.2
割引きして売った場合の損失は0.04
0.2×80%-0.04×20%=0.152
これが利益の3800円となるので3800÷0.152=25000円

個数を考える問題はかなりレベルが高くなります。計算量も多いのでノートに丁寧に書く必要があるでしょう。

以上が売買のポイントになります。
特徴ある問題についてはまた紹介しますが、まずはこれらのポイントをおさえているか確認していきましょう。

割合の基本はこちら

割増しの別パターン消費税はコチラ

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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

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