中学受験 算数 旅人算 二人が動く速さの問題を解くポイントは二つだけ(無料問題集20題付き)
この記事の内容
二人が動く速さの問題 旅人算 中学受験算数での重要度は?
二人が動く速さの問題を旅人算といいます。
○○算とついているので特殊算の一種と言えるかもしれませんが、ほかの特殊算と違って旅人算は問題の解き方ではなく種類を表しているような気がします。
旅人算の重要度は中学受験算数の中でもトップレベルです。受験をするなら必ずできなくてはいけません。
基本はそこまで難しくないですが、応用のさせ方にかなりのバリエーションがあるのでマスターするのには時間のかかる単元です。
今回の記事では最低限おさえていて欲しい旅人算の根幹の部分をお伝えします。
併せて最も基本となる4つの例題と、無料問題集もあります。ぜひご覧下さい。
旅人算 攻略のポイント2つ
2人が動くとはじき公式なんかではわけがわからなくなります。
ポイントは2つで『へだたりだけ考える』『一人しか動いていないところは別に考える』です。
へだたりだけ考える
二人の動きを同時にとらえるのは難しいです。
弟が100m離れている兄をおいかけようとしたときに弟が100m歩くのにかかる時間を求めても、弟が着いた時には兄は既に移動してしまっています。
一人ずつ考えるのは無理があります。
そこでへだたりに注目することが最大のポイントです。
へだたりとは隔たり、間隔つまり二人の間の道のりのことです。
へだたりが1分間に何m変化するかを考えることで、へだたりが0になる時間を求めるという考え方です。
どちらかの速さや向きが変わる毎に別に考える
へだたりの変化は二人が一定の速さで同じ方向に動いている間は一定です。
どちらかが止まったり方向を変えたり速さを変えたりしたときは別で考える必要があります。
ひとつの問題で3つのシチュエーション「片方が止まる、出発する」「片方が方向を変える」「片方が速さを変える」のうちどれかは含まれることがほとんどです。
二人の速さの関係が変化するのでその部分に区切って別で考えましょう。
片方をもう片方を追いかけるタイプの旅人算 例題2つ
分速80mで歩く人を分速80m以下の速さで追いかける場合、絶対に追いつくことはできません。
分速50mで追いかけようとすると時間が経つごとにどんどん離されていきます。
最後に追いつく場合は必ず追いかける側の速さが速くないといけないわけですね。
分速80mの人を分速100mで追いかける場合、1分経つと前の人は80m、後ろの人は100m進むわけですから、進んだ道のりに20mの違いがあります。
ということは二人の間がどれだけあいていようとゴールがない限りはいつか追いつくわけです。
1分間に20mずつ近づいていくので何m前にいるかがわかれば計算できます。
ポイントをまとめると
『何m前を歩いているか、つまり最初のへだたりを考える』『1分間に何m近づくか、つまりへだたりの変化を考える』
ということが大切です。
追いかける旅人算 前を歩いている人を追いかける
兄はA地点から途中のB地点を通りC地点に向かって歩きます。弟はB地点からC地点に向かって歩きます。二人は同じ時間にスタートしました。
兄は分速80m 弟は分速55m A地点とB地点の間の道のりが225mのとき
兄が弟に追いつくのは出発してから何分後ですか。
解説
1分間で80-55=25mずつ兄は追いついていく
225m追いついた時に兄が弟においつくので225÷25=9分後
へだたりの変化を捉えるわけです。
追いかける旅人算 先に出発した人を追いかける
兄が家から駅に向かって分速100mで歩き始めました。
その14分後に弟が分速120mで兄のあとをおいかけて出発しました。
弟が兄に追いつくのは弟が出発してから何分後ですか。
解説
速さの関係が変化するところで区切って考えます。
今回だと14分後までは兄しか歩いていないので
0~14分と14分以降で分けて考えます。
最初の14分で兄が100×14=1400m進みます。
それ以降は兄を弟が追いかけます。
1分ごとにへだたりは120-100=20mずつ減っていきます。
また、最初のへだたりは兄が進んだ分1400mということになります。
1400÷20=70分後
出会うタイプの旅人算
二人の進む方向が同じ場合は先ほどのように追い越しが発生するわけですが、二人の向きが違うこともあります。
二人が向かい合って進む場合、二人共近づこうとするので出会うのにかかる時間は速くなります。
片方が分速100m、もう一方が分速80mの場合、二人は1分で100+80=180mずつ近づきます。
先ほどは引き算をしましたが、今回は足し算をしましたね。
へだたりの変化がわかればあとは同じです。
出会う旅人算 離れた位置から二人が出会う
兄が家から学校に向かって、弟が学校から家に向かって同時に出発します。
兄は分速120m、弟は分速100mで家から学校までの道のりは3300mのとき
二人が出会うのは出発してから何分後ですか。
解説
二人は1分間に120+100=220mずつ近づく。
3300m近づいた時に二人は出会うので、3300÷220=15分後
考えるポイントは追いかけの場合と同じですね。
出会う旅人算 出発時刻の違う二人が出会う
兄が家から学校に向かって、弟が学校から家に向かって出発します。
兄は弟が出発した14分後に出発します。
兄は分速80m 弟は分速55m 家から学校までの道のりは3470mのとき
二人が出会うのは兄が出発してから何分後ですか。
解説
二人の速さの関係が変化する、0~14分と14分以降で考えます。
最初の14分は弟しか歩いていないので55×14=770m進みます。
二人は向かい合って進んでいるので、3470m離れていたところから770m近づくことになります。
3470-770=2700m
14分後からは、兄と弟は1分間に80+55=135mずつ近づきます。
2700÷135=20分後
無料問題集とおすすめ問題集
上にあげた例題の他にも折り返してきてすれ違ったり、追い越してから引き返したりといった複雑なパターンは登場しますが、すべて原則は同じです。
『へだたりだけを考えること』『速さの関係が変化する部分は区切って考えること』が大切です。
基本が身に付いたら入試問題で実践しましょう。
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速さは最も重要な文章題と言えるでしょう。ここで脱落しないよう手を打ちましょうね。
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