【速報】 2019年 愛光
2019年の愛光中学を解いた印象をお伝えします。(栄東中学ではなくてなぜか愛光中学の問題をいただきました 笑)
1、設問毎の予想難易度
A必須問題(簡単で差がつかない)
B合否を分ける問題(学習の中心)
C差をつける問題(ミスを取り返す)
D難しくて逆に差がつかない問題
大設問1
(1)A(2)A(3)①A②A③A
(4)①B②A(5)①A②A(6)①A②C
(7)①A②B(8)①B②D(9)①B②C
大設問2
(1)B (2)C
大設問3
(1)B (2)B (3)C
大設問4
(1)B (2)C (3)C
AをすべてとってBが半分あっていれば合格点ぐらいと予想します。
2、出題単元
文章題と速さが多い。図形は少なめ。
二枚目は文章題と速さという毎年ほぼ同じ形
3、入試問題の分析 4項目
・典型題、典型的な手法
1枚目は典型題中心
大設問1
「時計算はへだたりに注目」
「水槽グラフは図に時間を書き込む」
「二点移動の時間が聞かれたら旅人算と公倍数」
「差一定の倍数算」
「半径の分からない円は半径×半径」「割りきれる回数はその数だけで割れる数に注目」
B以下のものは見てすぐわかるようにしておきたい。
大設問2 「積が等しいときは逆比」
大設問3 「道のりか時間が等しいところに注目」
このあたりは典型的な手法になる。
初見の問題でも典型的な考え方を意識すること。
・ミスのしやすさ
これといってひっかけはないが、「速さの距離や時間の出発点」「比の前項と後項」「登場人物のだれについて聞かれているか」など受験生が勝手に間違えるものは多数あると思われる。特に大設問3(2)は(3)への誘導のためだが、A君の家からという部分を誤解しがちなのではないか。
・見直しのポイント
前述のABほどの易しい問題は一問も落とせない。そのために時間を使う。
前述の聞かれているものと答えているものが一致しているかは必ず確認する。
時計算、分数の性質、水のやりとり、買い物
などの問題は出た答えが条件にあっているか確認しやすい。確認しやすい問題は先に見直すとミスを修正できる確率が上がるのでおすすめしたい。
・応用問題を解くためのポイント
今回特に意識したいのは二枚目の文章題において次の3つ
「求めた数字がなにをあらわしているのか書く」
「使っていない条件を考えて次の一手を見つける」
「前の問題や時には次の問題を利用して方針を検討する」
例をあげると
「求めた数字がなにをあらわしているか書く」ことで比と具体的な数の対応がしやすくなる。二枚目の大設問三題とも比がわかっている部分の具体量を求めることになるので、なにとなにが対応しているかをとらえることは必須条件になる。必ず、その数字は、その比はなにを表しているのか言葉で書くようにすること。
「使っていない条件を考えて次の一手を見つける」例えば大設問3の問題の(3)までは30秒という条件は使っていない。これを使うためにBとCに注目することがわかる。大設問4の最後の問題では、ここまでA君の最初の金額の半分が最後に残ることを使っていない。ダミーの可能性もあるが、いきずまったらまずはこういった使っていない条件に注目しよう。
「前の問題や時には次の問題を利用して方針を検討する」
大設問2(2)では、(1)でAとBの比を出しているのでA、Bを一つの記号で表しておくことができる。また(1)を解く際には、Cについて全く関係ないことがわかるはず。条件のうちAとBに関係あることだけを使えばいい。
大設問3では(1)を解く際に(2)に目を通す。(1)で求めるBの速さを使えばBとCで旅人算するだけだなとわかるので、(1)は別の部分から速さを求めることになる。BとCについては(2)で考えるので問題文中の30秒後という条件も今はまだ使わない、一番最後の3:2が(1)で注目するところだとわかる。
(3)を解く際には、(2)で求めたことが大きなヒントになっている。また前述の通り使っていない30秒の条件を考えること、速さの問題は時間か道のりが同じところが使えることがポイントととなり答えまでたどり着くことができる。
これらの思考方法は初見の問題を考える際に大切にしたい。
4、入試問題批評
一枚目を難しいものに時間をかけず、いかに正確に得点を重ねるかが重要。二枚目の方が解きやすいものも多い。今年はとくに二枚目が易しかった。しっかり二枚目に目を向けて、易しいものを拾っていこう。
一枚目、二枚目ともに現在の完成度を測るにはちょうどよい。(難問避け確実にとる作戦の確認や知識の抜けチェック、初見の従属問題への対応など)
進学意志が低くても前受けとして人気の理由がよくわかる入試だ。