中学受験算数勉強方法

食塩水 濃度 問題 4パターンまとめ~食塩水攻略の一番のポイントは問題文の整理にある(今回も面積図は使わないです)

2022/08/02
 
食塩水の整理方法
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

 中学受験 食塩水 濃度 問題 の最も押さえておきたい大切なポイントと問題例をまとめました。

力を入れすぎて長い記事になっています。ほぼ5年生の授業2コマ分の板書ですね。

不要なところを読み飛ばしながら読んでください。

食塩水 濃度 を攻略する一番のポイントは問題文の整理

食塩水の濃度の問題は実は得点につなげやすい単元です。しっかり学習すれば誰でも得点源にできるので、早いうちに得意にして偏差値をあげるポイントにしてしまいましょう。一番のポイントは食塩水の文章題に出てくる言葉を図に整理して、自分がしている計算をみうしなわないようにすることです。

私がおすすめするのは次の書き方です。

普段から文章を読みながら自分が何をだしているかわかるように上のような図に整理することをおすすめしています。ついでに面積図を学習した時に場所が同じになるようにこの描き方をおすすめしています。

食塩水 濃度 問題 パターン1 食塩水に水を加える、水を蒸発させる

食塩水に水を加えたり、水を蒸発させたりする問題です。

ポイントは「食塩水に含まれている食塩の量は変化しない」ということです。

①12%の食塩水150gに水を250g加えたときにできる食塩水の濃度は何%ですか

②10%の食塩水160gに水を加えたとき食塩水の濃度が4%になりました。何gの水を加えましたか。

③9%の食塩水180gから水を30g蒸発させました。何%の食塩水になりますか。

④5%の食塩水から水を何gか蒸発させたところ7%の濃度の食塩水が100gになりました。水は何g蒸発させましたか。

最初は図に書いて整理しながら考えることをおすすめします。

まず①を図に整理してみました

この状態にして分かるところを求めていきます。まず最初の食塩を求められます。

150の12%で18g

ポイントにあるようにこれが最後の食塩と同じになります。

また最後の食塩水全体の量は

150+250=400gです。

あとは400g中に18gあるので4.5%です。完成図が下です。

②10%の食塩水160gに水を加えたとき食塩水の濃度が4%になりました。何gの水を加えましたか。

①とは数字を求める順番が変わりますがそれだけです。計算方法は変わりません。

完成図だけかいておきます。答えは240gです。

③9%の食塩水180gから水を30g蒸発させました。何%の食塩水になりますか。

蒸発は水だけが減るので食塩の量は変わりません。

180×0.09=16.2 これができる食塩の量とも等しくなる。

180-30=150 できる食塩水の量

16.2gの食塩が150gの中にあるので10.8%です。

④5%の食塩水から水を何gか蒸発させたところ7%の食塩水が100gになりました。水は何g蒸発させましたか。

食塩の量が変わらないので最初の食塩が求められますね。下のようになります。水は40gです。

食塩水 濃度 問題 パターン2 食塩水に食塩を加える

水を加える場合はむしろ特殊で、普通は食塩の量が変化することになります。合計の食塩の量は変わらないので混ぜるもの同士の食塩の和を計算するようにします。また、食塩を加える場合は水の量が変化しないのでそちらに注目することもできます。

①3%の食塩水200gに食塩を50g加えました。食塩水の濃度は何%になりますか。

②4%の食塩水150gに食塩を加えたところ10%の濃度になりました。加えた食塩は何gですか。

①3%の食塩水200gに食塩を50g加えました。食塩水の濃度は何%になりますか。

分かるところを求めていくのは水を加えるときと同じです。

最初の食塩の量は200×0.03=6g

あとの食塩水に含まれる食塩の量は6+50=56g

あとの食塩水の量は200+50=250g

250gのうち56gが食塩なので22.4%

②4%の食塩水150gに食塩を加えたところ10%の濃度になりました。加えた食塩は何gですか。

今までと同じ方法で解くこともできますが、少し複雑になるのでパターン4で紹介します。

今回は水が変わらないことに注目してみます。

水の量が変わらないので元の食塩水の水の量 150×0.96=144g は食塩を入れたあとも変わらない。

144gが90%分になるので全体の量は144÷0.9=160g

加えた食塩の量は160-150=10g

食塩水 濃度 問題パターン3 食塩水と食塩水を混ぜる

①18%の食塩水200gと4%の食塩水300gを混ぜた時にできる食塩水は何gですか。

②15%の食塩水300gとある濃度の食塩水700gを混ぜたところ8%になりました。混ぜた食塩水の濃度は何%ですか。

①18%の食塩水200gと4%の食塩水300gを混ぜた時にできる食塩水は何gですか。

今までと同じように整理します。わかるところから順番に出していけば答えにたどり着きます。

最初の食塩はそれぞれ 200×0.18=36g 300×0.04=12g

あとに含まれる食塩と全体は 36+12=48g 200+300=500g

500g中に48g含まれるので9.6%

②15%の食塩水300gとある濃度の食塩水700gを混ぜたところ8%になりました。混ぜた食塩水の濃度は何%ですか。

今までと同じで求めるところが変わるだけです。順番に求めていってください。

このように5%になります。

食塩水 濃度 問題パターン4 食塩の重さが2箇所以上わからない混ぜ方の場合は比を使って考える

①5%の食塩水350gに15%の食塩水を混ぜたところ8%になりました。何gの食塩水ができましたか。

この場合はかなり難しくなります。ひとつは面積図を使う方法もあります。また食塩水の面積図(天秤図)がなんか苦手な人へ〜食塩水に面積図(天秤図)は本当に必要かで紹介している方法や食塩水に「水を加える」、「蒸発させる」、「食塩を加える」は面積図も面倒な計算もいらないで紹介している方法もありです。しかし今回はすべて今までと同じ方法で解いてみます。これが理解できるならこれはかなりおすすめです

①5%の食塩水350gに15%の食塩水を混ぜたところ8%になりました。何gの食塩水ができましたか。

ここから進まなくなってしまいますよね。

ここで15%の食塩水を(100)gとおいて計算してみます。

15%なので食塩の量は(15)gになります。

一方出来上がる食塩水の量は350+(100)gです。

これの濃度が8%なのでそれぞれ濃度計算してしまうと28gと(8)gになります。

つまり食塩の量は

17.5+(15)=28+(8)

左の式と右の式を比べると()の数字は(7)違うのですが、()がついていない数字は10.5ちがいます。(7)=10.5ということになります。

10.5÷7=1.5

(1)が1.5なので150gで終了です。

パターン2の問題もこの方法で解くこともできます。

(再)4%の食塩水150gに食塩を加えたところ10%の濃度になりました。加えた食塩は何gですか。

パターン2では水に注目しました。逆比を使って解く方法もありますが今回はほかと同じ整理の仕方一本で解く方法を紹介します。

元の食塩水に含まれる食塩は150gの4%なので6g

加えた食塩を(100)gとします。

するとできる食塩水は150+(100)gとなります。

このまま濃度計算してしまうとこの10%が食塩なので15gと(10)gが食塩です。

6+(100)と15+(10)が同じになるので(90)=9

(100)=10gになります。

食塩水がいかに整理して計算することが大事かということ、面積図がなくても食塩水の問題を解くことはできるということが伝われば幸いです。

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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

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