中学受験算数勉強方法

計算の工夫は中学受験でどう出題されるか 四天王寺中 7年分の出題

 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

計算を工夫してラクに解くことは全部の単元で役に立つとても重要なことですが、学校によっては計算の工夫そのものを出題されることもあります。

今回は毎年、計算の工夫についての出題がされる『四天王寺中』の問題で中学受験で出題される計算の工夫とはどういうものがあるのか、それが解けるようになるためにできることを紹介します。

四天王寺中7年間で出題された 計算の工夫を問われる問題

ここ7年分の計算問題を掲載しています。

この中で一つでも工夫の仕方がわからないものがあれば意識して学習する必要があります。

2022年

2021年

5.69+5.96+6.59+6.95+9.56+9.65

2020年

148×268-185×201

2019年

1025×49-2019×18.5-15.5×37

2018年

13-2+26-4+39-6+52-8+65-10+78-12+91-14

2017年

381×576+382×301+383×123

2016年

6669×24.5+1111×49-2222×98

四天王寺中 計算の工夫 解説

2022年の出題は他の年度とは違う『分配法則の逆』でした。

2021年の出題は他の学校でもよく出題される『同じ数の登場』です。

2020、2019、2016年は結合法則+分配法則です。この出題が一番多いですね。

2018年は和と差の交換法則と等差数列の和ですね。

2017年はずらす分配法則です。

すべて解説します。

2022年 『分配法則の逆』

()はずし、いわゆる展開です。

かけ算の筆算ができる子は全員できるはずの工夫ですが、登場回数が多くないので使えない受験生が多いです。

357なんていう数はよく知らないので素因数分解してみると3×7×17つまり21×17だとわかります。

÷357と÷0.25ですがどちらも逆数をかける計算に変えて分配法則の逆をしていきます。

約分するとかなりきれいな形になります。

引き算になることを気をつけて同分母同士計算すれば終了です。

なので答えは

です。

2021年 『同じ数の登場』

5.69+5.96+6.59+6.95+9.56+9.65

これは定番の問題と感じているレベルにしておきたい問題です。

各位に5,6,9が2回ずつ登場します。

(5+6+9)×2=40 が各位に現れるわけです。

1が40個、0.1が40個、0.01が40個なので44.4が答えです。

2020、2019、2016年 『結合+分配法則』

この3題は同じテーマの出題です。

分配法則が使える形に式を変形していきます。

148×268-185×201

2020年のこの問題は中でもわかりにくいですね。

私は185と148の差をとってみて探ります。差は37

幸運なことにどちらも37の倍数でした。

同様に268と201の差は67。

両方67の倍数なのでこの問題の正体があきらかになりましたね。

37×4×67×4-37×5×67×3

分配法則をしたらいいです。

37×67×(16-15)

37×67は普通に計算していいかと思います。2479です。

2019年です。

1025×49-2019×18.5-15.5×37

とりあえず18.5と37の関係に注目しましょう。

ここが倍、半分なので18.5にそろえます

計算の仕方としては先に引くものを足し算してまとめておきます。

2019×18.5+15.5×37

= 2019×18.5+31×18.5

=2050×18.5

1025と2050を見るとうまくいったことがわかりますね。

2050にそろえてから引き算します。

2050×24.5-2050×18.5

=2050×6

=12300

綺麗な答えになりましたね。

2016年も同じポイントの計算です。

6669×24.5+1111×49-2222×98

49と98の関係にすぐに気がつける計算力は欲しいですね。加えて今回は24.5も49の半分です。

24.5にそろえて全体を分配法則します。

6669×24.5+2222×24.5-8888×24.5

6669+2222-8888=3

3×24.5=73.5

かなり気がつきやすい部類でした。

年度が最近になるにつれて難しくなっていますね。

2018年 『和と差の交換』

13-2+26-4+39-6+52-8+65-10+78-12+91-14

この程度ならそのまま計算してもできるのですが最近の難易度は高くなっているので計算方法をしっかりと身につけましょう。

足し算チームと引き算チームに分けて引くものもまとめておきます。

(たし算)13+26+39+52+65+78+91=13×(1~7の和)

(引き算)2+4+6+8+10+12+14=2×(1~7の和)

三角数も意識して計算することで計算しやすくなります。

引き算して11×(1~7の和)=11×28=308

2017年 『ずらす分配法則』

381×576+382×301+383×123

明らかにかけ算の左側の数が近いですよね。

分配法則が使える形にずらします。

382を中心にするのが一番簡単そうです。

382×576+382×301+382×123=382×(576+301+123)=382×1000

こうだとラクなのですが勝手にかえてしまってはズレが生じます。どれだけズレるのかを考えましょう。

382×576 381×576 の差はいくつですか。勝手に576大きくしてしまったことがわかります。

同様に 382×123 383×123の差は123なのでこちらは勝手に123小さくしています。

ということは結局576-123=453だけ答えが大きくなってしまったわけです。

382000-453=381547となります。

計算の工夫 を極めるために

以上のように計算の工夫が問われるわけですが、お子様は大丈夫そうですか。

こうした計算が問われる学校は他にもたくさんありますが、問題はそこだけではありません。

少し計算するのにも頭を使ってラクに正確に計算している受験生はたくさんいます。

そんな中地道に筆算している受験生がスピードでも正確さでも負けるのは想像に容易いです。

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有名な話で受験生の多くは存在を知っていますが、問題形式で練習していることはあまり多くなさそうです。

ぜひ試してみてください。

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