九九の学び方を変えることで4年後の算数の成績が劇的に変わる説
一般には小学校2年生で九九を習いますね。
親が熱心なおかげで元々知っている子を除いたら、早く覚えられる優秀な子、なかなか覚えられない残念な子
のように捉えられがちです。私これ両方とも不幸だと思います。
九九がなかなか覚えられない子は他の子より記憶力がもしかしたら強くないかもしれない。でも算数や数学が記憶力で決まるなんて思っている人はほとんどいないと思います(少なくとも算数数学が得意な人にはいないでしょう。)
でも九九が出来ないせいで算数が苦手だと周りから見なされ、また自分でもそう思い込んでしまう不幸があります。
それでは九九を早く覚えた子にはどんな不幸があるのか。算数の勉強の仕方を勘違いしてしまう不幸です。もちろんこれは全員ではないですが、間違った成功体験はかえってマイナスです。たまたま記憶力が良かった子が、算数とは計算結果を記憶するものだと誤解するきっかけになります。その子達は今後、文章題や図形なんかでも新しいことを学習するたびに、そのやり方をよく聞いて記憶することを繰り返します。算数数学にとって最もよくない勉強の姿勢です。
私は九九の暗唱を目的としたような授業は学校でやるべきではないと思うのですがそこまで変える力はもっていません。それ前提のテストも実施される以上避けられないのは確かです。
では、提案できることはなにか。それは「九九を習いながらかけ算を習得していこう」ということです。
例えば2の段を習ったら九九の範囲を超えた2の倍数全般を計算する練習をしましょう。
2×126とかも足し算だと思えば問題なく解くことが出来ます。なんならわり算もかけ算の逆算という形で練習したらいいと思います。2×□=36 とかは九九を覚えてるだけでは解けません。かけ算をしっかり考えるきっかけになります。
4の段を習ったなら4をかけることと2をかけることの関係に目を向けるのもいいです。÷4は÷2を2回するのと同じですね。
5の段はすごく広がります。一緒に10の段の話なんかもできますね。また5×7は2×7と3×7の合計と同じなんて話も出来ます。
こうしてかけ算を学んでいけばわざわざ九九で止める必要がありません。11や12、13をかけたっていい、その過程で筆算と同じ計算方法が自然と出来るようにもなります。改めて筆算の表記の仕方を教わらなくても、×12は×10したものに×2したものを足したらいいんだよとわかる。
分配法則なんて言葉は初めて習ったときにはすでに当たり前の話です。計算の工夫?いつもやってるじゃんですよ。
「九九を暗記して筆算のやり方を徹底して分配法則というテクニックを覚える学習」と「すべて九九と同じタイミングで自然に理解できる学習とどちらがいいですか?
九九から始まったかけ算に対する学び方の姿勢はそれから先、他の単元を学習するときにも大いに影響していきます。
まず九九から始めましょう。仮に先取りして覚えてしまっていても、あるいは3年生になったから知ってしまっていても関係ありません。もう一度1から初めてみてください。6年生になる頃には算数が一番の得意科目になっているはずです。