時計の針が重なる時刻がわからない 時計算を攻略するのは実はとても簡単。差をつける3つのポイント
時計の針が重なる時刻がわからないというお子様は少なくないと思います。
通称 時計算 はかなりとっつきにくい単元です。
ですがこのタイプの問題は実はそこまで難しくなく、上位の子は得点源にしています。
その理由とポイントをご紹介します。
この記事の内容
時計の針が重なる時刻を求める3つのポイント
8時何分に2つの針が重なるか求めなさい。
上のような問題を解くポイントは3つあります。
「 ○時△分に時計の針が重なるなら○時ちょうどの針の角度を求める 」
「 1分間に二つのは針の間が何度近づく、あるいは離れていくか考える 」
「 1分の何倍かを考えることで時刻を求める 」
ポイント1つ1つ説明します。
○時△分に時計の針が重なるなら○時ちょうどの針の角度(あと何度で長針がおいつくか)を求める
この問題でいうと8時ちょうどの間の角度です。
長針の方が速いのであと何度で長針がおいつくかを考えるようにしましょう。
時計の文字盤の間隔は12箇所あるので360÷12=30度
ひとつにつき30度なので8時だと30×8=240度離れているとわかります。
1分間に二つのは針の間が何度近づく、あるいは離れていくか考える
時計の針が1分で何度動くのかを考えます。
長い針は60分で一周します。
一周は360度なので1分で360÷60=6度動くことがわかります。
短い針は60分で文字盤一つ分動きます。
文字盤一つ分は30度です。
60分で30度動くので、1分に0.5度動きます。
0.5度短い針が動いても、後ろから6度長い針が追いかけてくるので差は6-0.5=5.5度ずつ近づいてくるわけです。
これは旅人算の考え方ですね。この部分が難しい場合は、先に旅人算を学習し直したほうがいいです。
中学受験 算数 旅人算 二人が動く速さの問題を解くポイントは二つだけ(無料問題集20題付き)
1分の何倍かを考えることで時刻を求める
8時○分で時計の針が重なります。
8時ちょうどのときは240度離れていました。
これが1分間で5.5度ずつ近づいていくわけです。
5.5×□=240となる□がわかれば何分後に0度になる=重なるかわかります。
1分 | 5.5度近づく |
?分 | 240度近づく |
$$8時 43\frac{7}{11} 分$$
上のように答えは変な分数になりますが、割り算を工夫すれば計算も簡単です。
時計算は旅人算と同じ
上でも少し触れましたが「時計の針が重なる問題」は「長い針が短い針に追いつく旅人算」と同じです。
もっというと普通の旅人算より簡単です。
なぜなら
「時計の針はいつも同じ方向に進む」←必ず右回りに一定の速さ
「時計の針の速さは基本的にどの問題でも同じ」←長い針と短い針の速さの差は5.5度
だからです。
忘れ物を取りに帰ったり、休憩したり急いだりしない分、始めと終わりだけ考えてやればよく計算式もいつも同じです。
最後の複雑に見える分数計算も÷の前後の数を2倍してから分数にすれば終了というとても単純な計算です。
時計算の他のパターン
ほかに基本問題の形は3種類あるように見えます。
①8時20分の間の角を求めなさい
②8時何分で二つの針が一直線になりますか
③8時何分で二つの針が直角になりますか
これらの問題を『3種類ある』
ではなく『3つとも重なる場合と同じだ』と思えたら時計算は攻略したと言えるでしょう。
①の場合は重なる場合の時に5.5×□=240と書いた式の□のところが20分後だとあらかじめわかっている問題です。代わりに何度近づいたかを考えないといけないので240の部分を求めるわけです。
1分 | 5.5度近づく |
20分 | ?度近づく |
5.5×20=110度近づいた
もともと240度離れていたので240-110=130度となります。
②の場合は「針が重なる」代わりに「針が一直線になる」になっています。
一直線とは180度のことです。
もともと240度だった針が0度になったのが重なる問題
今回はもともと240度だった針が180度になったわけです。60度近づいていますね。
1分 | 5.5度近づく |
?分 | 60度近づく |
$$60\div5.5 =120\div11 =\frac{120}{11}分$$
$$8時 10\frac{10}{11} 分$$
③の場合は「針が重なる」代わりに「針が直角になる」になっています。
直角とは90度のことです。
もともと240度だった針が0度になったのが重なる問題
今回はもともと240度だった針が90度になったわけです。150度近づいていますね。
1分 | 5.5度近づく |
?分 | 90度近づく |
$$150\div5.5 =300\div11 =\frac{300}{11}分$$
$$8時 27\frac{3}{11} 分$$
このようにどのタイプの時計算でも同じ考え方でできてしまうので上位の子が得点源にするわけです。
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余裕があるうちに難問にむきあっておくことをおすすめします。
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