同音異義語を覚えることが漢字の学習で一番大切です。
この記事の内容
漢字の学習のポイントは同音異義語にある
傷をいやすため三週間ほどトウジしている
5年生用模試 正答率10%未満
トウジを漢字に直す問題は5年生の模試での正答率10%を切る難問です。
二つの漢字は3年生と4年生で習う字だというのにです。
生まれて初めての東京駅には、今まで見たこともない高さの建物がリンリツしていた
2年生用模試 正答率10%未満
リンリツを漢字に直す問題は2年生で出題可能な問題です。
どちらの字も小学1年生で習いますね。
漢字の難しいところは形が覚えられないというところにはありません。
社会の漢字はそういうものもありますが、国語の漢字は、ほとんどの場合一つ一つの音や訓に合うものを当てはめられないことが最後の壁になります。
低学年のうちは形で悩んでいる子もコツをつかめばほとんどの子が習得できるものです。
しかし今回例に出した「湯治(トウジ)」「林立(リンリツ)」はなんとなく漢字練習をしている子は書けるようになりません。
それを一番確認できる内容が同音異義語や同訓異字語です。
同音異義語とは
サイシンの注意を払う
サイシンの情報を手に入れる
のように同じ読みなのに違う漢字を使う熟語のことです。
成功をオサメル
税金をオサメル
国をオサメル
学問をオサメル
こちらは同訓異字語です。
こういった同音異義語や同訓異字語をそれだけ単体で抑えることも大切ですが、普段の学習で対策していきたいところです。
同音異義語や同訓異字語が自然と区別できるような学習が理想で、その先に「湯治」や「林立」のような難易度の高い漢字の書き取りがあるのです。
ひたすら書くという方法は同音異義語を覚えることに繋がらない
形が覚えられていないうちは書く練習も多少は必要ですが、学年が上がってきて、部首やつくりがわかってくると、形を覚えることはそれほど大変ではないはずです。
忘れないように定期的に確認する必要はありますが、一回にたくさん書く事はほとんど意味がなくなってきます。
林立の林も立もほとんどの子が書けるけど林立は書けないわけです。
それ以外の熟語も形が難しくてかけないことはどんどん減ってきます。
「漢字練習はたくさん書くものだ」という認識で高学年になると思い悩む可能性があるのでご注意ください。
同音異義語を覚えるための4つの方法
漢字一字の意味がとても大切
大切なのは漢字1字1字の意味です。
先ほどのオサメルという字について考えます。
国を治める 税金を納める 成功を収める 学問を修める
これらのおさめるの意味を考えることで熟語になったときに役立ちます。
治 には乱れているものをなおす のような意味があります。
政治や完治といった熟語に使われます。
そのため国を治めると使われるのでしょう。
納 は受け入れる、しまうという意味があります。
納得 納税 格納
税金を国にいれるわけですね。
収 には手に入れるに近い意味があります。
収穫 吸収 収益 収支
成功を収める 成功を手に入れるわけですね。
修には身に付けるの意味があります。
修行 修練 必修 修学旅行
修学とあるように学問を修めるわけですね。
微妙なニュアンスの部分もあります。
喧嘩を収めるは収拾をつけるの収と同じ意味でしょう。治めるでもいいような気もしてしまいます。
ただ曖昧な部分はそこまで厳密でなくていいのでむしろ考えることが大切です。
この漢字一字はどういう意味なのだろうか
高校生で漢文を学習するとより深く理解できそうですが、ぜひ自分なりに1字の意味を考えてみてください。
連想できるものが多ければ多いほど覚えやすくなります。
熟語のつくりから意味を覚える
熟語の作りには前後の関係にいくつかパターンがあります。
①前→後の関係 (政治、必修)
②後→前の関係(収益、納税)
③似た意味の関係(修練、収穫)
④反対の意味の関係(収支、前後)
打ち消しや修飾・非修飾は分けることが通常かもしれませんが大きく4つわかっていたら大丈夫です。
熟語の関係を普段から考えていると『漢字1字の意味』に注目できるようになります。
同音異義語も特殊な使い方をする熟語もこれで身につけてしまいましょう。
使ってみることが一番の習得方法
同音異義語はなにで判断するか、意味ですね、なので文章があってこそです。
漢字の練習は必ず文章も書きましょう。
辞書や出てきた文章を抜き出して書いて文章ごと覚えたいです。
できれば自分でほかの例文をつくると頭に入りやすいです。
意味から漢字を類推する練習を欠かさない
漢字練習をする際には、問題集を使いましょう。
いきなり書き写すのではなく、問題になっているものを使うことで、どんな字かわからない状態で書く事に意味があります。
「知っている熟語は書けるけど、知らない熟語は書けない」という主張は実は間違っていて、熟語は意味と自分の知っている字から連想できます。
前半で例にあげた「林立」
ビルがリンリツするなのでなんとなく意味はわかります。
リンという音を考えると隣に立っているが思い浮かび 隣立 という答えが出てくるかもしれません。
これで隣立が出てきてた人は類推を使っているわけです。
林立は2年生向けの問題なのですが正解者はわずかですがいます。
その中にはもともと知っていた子もいるでしょうが、意味を考えて類推した子が多いのです。
小学2年生は隣という字を知らない分、林が森林のリンだと知っていれば思いついたかもしれません。
普段から類推の力をつけながら漢字練習することが大切です。
漢字の形そのものが苦手な場合は部分に分けて覚える
今回の記事の内容とはずれますが形がそもそも覚えられないのですという場合は次のポイントを意識しましょう。
たくさん書いて練習することも大切ですが、ポイントがわかっていると頭の中にひっかかりができて覚えやすく、思い出しやすくなります。
ポイントとは『会意文字と形声文字を意識する』ということです。
会意文字と形声文字
形声文字…類型的な意味を表す意符と音を表す音符とを組み合わせて字を作ること。江・河など
会意文字…象形と指事によって作られたものを組み合わせて新しい意味を表す字を作ること。信・武・林・炎など
wikipedia-六書
知らない組み合わせの漢字でも音がわかることってありますよね。
工場の工と江河の江、可能の可と江河の河は読みが同じです。
武はちょっとピンと来ないですが、信は人(にんべん)が言う という意味で創られています。
このように新しい漢字を覚えるときに知っている漢字や部首と組み合わせながら覚えていくことがとても大切です。
先程も書きましたが頭の中にひっかかる部分が増えるほど、記憶は残りやすくなりますよ。
まとめ
漢字を覚えるために書く練習をする、それは大切なことかもしれません。
ですがもっと大切なのは意味やパターンを意識すること。
一字の意味や成り立ち、熟語のつくりを意識することで、本文中の意味から類推することができるようになります。
熟語は本文ありきなので文章で覚えることを面倒くさいと思わないようにしましょう。
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