中学受験算数勉強方法

【保存版】計算の工夫 一覧 中学受験算数の計算問題で必要な計算の工夫をすべて紹介します。

2021/12/24
 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

ネットで検索したり、書籍を探したりしましたが、計算の工夫が満足にまとめられている記事や書籍は滅多にありません。一番まともだと思っている1冊はあとで紹介しますが、それでも余計なものが入っていると感じます。

ほとんどの記事や書籍が絶対必要なものが抜けていたり、代わりにすごく限定的でこれは使えないだろうというものが入っていたりといった具合です。

なのでいったんすべてまとめました。必要十分な工夫をすべて出したつもりです。

これから中学受験の算数の学習を本格的に始める方にも、受験直前の最後の確認にも使えます。

追記

【無料有り】計算の工夫を極める問題集がついに完成しました。【半額有り】

作りました。

この記事を元に作った問題集で唯一無二の内容と量です。

ぜひ一読ください。

計算の工夫一覧

この記事では12個の計算の工夫を計算しています。

受験直前にはぜひまとめて確認して欲しいですが、多くの工夫に言えることとして、

計算の工夫は常に意識して欲しいということです。

はい、計算の工夫の単元ですよで意識するのではなく、すべての計算を、仮に何も考えずにできるのだとしても、頭を使って少しでもラクにできる方法を探すのです。

結合法則

29.7+17.5

432.1-38.7

1375×64

420÷35

結合法則を一番初めに学習するのは さくらんぼ計算です。

こんなの自分は習わなかった、最近の学習はおかしいまで言われる方が時々いらっしゃいます。

非難される対象になりがちですし、あの方法でないと×はおかしいですが、あの考え方自体はとても大切です。

29.7+17.5=29.7+0.03+17.2=30+17.2

そのまま繰り上がりの計算をするより計算しやすそうですよね。

結合法則とはある数を+-×÷するときに少しずつ計算してもいいよという法則です。

引き算であれば

432.1-38.7=432.1-32.1-6.6

このように先に引ける分だけ引いておくという方法です。

ちなみに結合法則だとはわかりにくいですが次の計算方法もあります。

321.9-98.7=321.9-100+1.3

たくさん引きすぎたのでお返ししています。これも便利な計算方法です。

ここまでは少し便利程度ですがこういったものを積み重ねることで計算の工夫をしようという発想が育ちます。

そしてより重要なのはかけ算わり算です。

かけ算であれば

1375×64

いきなり64かけるのは大変なので少しずつかけ算します。

1375×64

=1375×2×32

=2750×2×16

=5500×2×8

=11000×2×4

=22000×2×2

=88000

×2は同じ数を足すだけです。こんな風にわけてかけ算していけばいいのです。

もちろん2ずつかけなくても暗算でできるところまでかければ日常で使えます。

これは本来、九九を学習した時に身につけたい考え方です。

この計算方法が身についていると暗算でできる計算の範囲が格段に広がります。

わり算も同じです。

420÷35

=420÷7÷5

とすることで簡単に計算できます。

これは低学年のうちに身につけておくと、分数の約分を学習した時に非常に役に立ちます。

これらの結合法則は単品で出題されることは少なく、問題の途中や、次に紹介する分配法則の途中で登場します。

勝手にいつか身につくとは思いません。意識し続けることが大切です。

※結合法則と分配法則を混同している講師やHPを数多く見かけます。

10×3+7×3=(10+7)×3

これは結合してるっぽく見えるのは確かですが分配法則といいます。

名前はどうでもいいんですが間違えて教えるのはやめたほうがいいと思います。

分配法則

説明の順番の都合で結合法則を先に紹介しましたが、最もよく出題される工夫の仕方です。

分配法則とは、『250円をクラス39人から集めましたが、後日足りなくなったのでさらに150円ずつ集めました。集まったお金はいくらですか』という問題で初めて意識することが多い計算方法です。

分配法則は同じ数をかけた数同士を、足したり引いたりする場合、あとからかけ算してもいいよねという方法です。

結局一人400円なので400×39=15600だねという計算ですがこれを式にすると

250×39+150×39=(250+150)×39

という公式のような形になるのです。でもストーリーを考えたら当たり前ですよね。

分配法則は理想は九九で、遅くともかけ算の筆算を理解するときに身につけたい考え方です。

27×8という計算は筆算をしている場合であっても

20×8

7×8

を計算して足し算しているはずです。

かけ算の筆算ができる子は全員、分配法則を理解できるものを持っているのです。

それを引き出してあげるのが大人の仕事です。

結合法則と結びついた分配法則

3.14×178+31.4×2.2

48×54+96×23

上の計算は半分以上の子が4年生のうちにできるようになります。

3.14×178+31.4×2.2

= 3.14×178+3.14×22

=3.14×(178+22)

=3.14×200

同じ数がでてくるように小数点をずらしているわけですがこれって先ほどの結合法則ですよね。

31.4×2.2を先に0.1だけかえたと考えられるわけです。

だったら同じことがほかの数でも言えますね。

48×54+96×23

=48×54+48×46

=48×(54+46)

=48×100

96は48の2倍だ

という気付きが必要です。

これに気がついたから思いつくというより工夫がなにかないか探していて初めて見つかるものでしょうね。

繰り返していくうちに48と96を見ると仲間に見えてきます。

こちらが自然にできるようになると難関校の計算に一気に手が届くようになります。

逆に利用する分配法則

$$(\frac{7}{12}+\frac{11}{15})\times120 $$

$$7\frac{7}{9}\times18 $$

少し優先度は下がりますが使えると速くて正確です。

また消去算や倍数算などの文章題では使用頻度が高いので身につけたい考え方です。

というより、かけ算の筆算ができる子は全員知っているはずなので、使うかどうかの差です。

$$(\frac{7}{12}+\frac{11}{15})\times120 = \frac{7}{12} \times120 +\frac{11}{15}\times120=70+88 $$

面倒な通分計算が省略できます。下は使用頻度がもう少し高いかもしれません。

$$7\frac{7}{9}\times18= (7+\frac{7}{9})\times18= 7\times18+\frac{7}{9}\times18 $$

帯分数は仮分数に直さないとかけ算できない

その常識を覆す感じは面白いですよね。

帯分数×整数はこちらの方が早いケースが多いです。

大概は使えたらいいよねレベルですが、かけ算の筆算ができる子にとってハードルは低いはずです。

ずらす分配法則

17×99+67

78×49+48×51+129×52

意味を考えてずらす分配法則です。

17×99はあと17あれば綺麗に計算できそうです。67から17もらいましょう。

17×99+17+50

=17×(99+1)+50

どうでしょうか。分配法則をつかうために個数をずらしたわけです。

下の計算はどうでしょうか。

78×49+48×51+129×52

78と51の和が129になることに気がつくと意図がわかります。

前の二つで分配法則をするためには78がひとつ余分です。

78×49+48×51+129×52

=78×48+78+48×51+129×52

=48×(78+51)+78+129×52

=48×129+129×52+78

=129×(48+52)+78

=12900+78

このタイプの問題はハイレベルなので入試に出題されるかどうかで練習するかどうか決めてもいいでしょう。

交換法則

77.5+56.2+22.5

43.1-16.3+24.5-33.7+32.4

25×17×16

和と差、積と商はそれぞれどのような順番で計算してもOKです。

一番上の例でしたら、77.5と22.5で先に100をつくってしまうと簡単です

真ん中の例は引き算混じりですが引き算するものとたし算するものにまとめてしまうと簡単です。

43.1+24.5+32.4=100

16.3+33.7=50

100-50=50という感じです。

一番下の例はかけ算の順番を入れ替えると簡単になる例ですね。

25×16=25×4×4=100×4=400を先に計算しましょう。

かけ算わり算混合の場合に式分数

78×15×34×38÷26÷45÷17÷76

頭から計算すると地獄のような計算ですね。

順番を変えることで計算できなくはないですが、かけ算とわり算の場合は全体を分数にすることをおすすめします。

$$\frac{78\times15\times34\times38}{26\times45\times17\times76} $$

たくさん約分できる計算になります。

このようにかけ算、わり算だけになったら、式分数を使いましょう。

小数×分数

$$\frac{4}{17}\times3.4 $$

小数と分数のかけ算は、分数に直すのが基本ですが、割り切れてしまうならそのまま約分した方が早いです。

ここでは3.4と17を約分してしまいましょう。

3.4÷17=0.2なので0.2×4と計算できます。

分数の差にわける

$$\frac{1}{2×3} +\frac{1}{3×4} +\frac{1}{4×5} +\frac{1}{5×6} $$

$$\frac{1}{12} +\frac{1}{20} +\frac{1}{30} +\frac{1}{42} $$

これは知っておかないとかなり差がつく問題です。

$$\frac{1}{A×(A+1)} =\frac{1}{A}- \frac{1}{A+1} $$

を利用する問題です。

通分してみるとわかると思います。

これを利用すると上の式は

$$\frac{1}{2} -\frac{1}{3} +\frac{1}{3} -\frac{1}{4} +\frac{1}{4} -\frac{1}{5} +\frac{1}{5} -\frac{1}{6} $$

のように変形できます。

あとは順番を入れ替えて計算すると最初と最後だけ残るのでひき算一回で求められます。

下の問題のようにかけ算の形で書かれていないときはさらに気がつきにくいので常に意識が必要です。

平均との差

2021+1989+2015+1990+2009+1999+1975+2007+1995+2010

このようにある数に近い数の和を考えるとき、平均2000からどれくらい離れるかで考えることができます。

10個すべて2000なら20000になるので、20000からいくつ離れるかだけ考てしまおうという計算方法です。

それぞれの数が2000と比べてどれだけ多いのか少ないのかを考えます。

21-11+15-10+9-1-25+7-5+10=10です

つまり20000+10=20010となるわけです。

これも結合法則ですが見た目がわかりやすいですよね。

レインボー算

$$\frac{1}{15} +\frac{2}{15} +\frac{4}{15} +\frac{7}{15} +\frac{8}{15} +\frac{11}{15} +\frac{13}{15} +\frac{14}{15} $$

分母15の既約分数の和です。

端と端をたしていくと1ができていきます。

1がいくつできるか考えることで計算がきれいにできます。

交換法則の一種ですがこれは定番の工夫です。低学年のうちに意識したいです。

等比数列の和

1+2+4+8+16+32+64+128+256

1+3+9+27+81+243+729+2187+6561

上は定番ですね。下はあまり見ませんが同じ原理なので説明してしまいます。

上の数は2をかけて出来るかずですね。

前から順番に足していくと次にたす数-1になっていると気がつきます。

1+2=3←4より1小さい

1+2+4=7←8より1小さい

1+2+4+8=15←16より1小さい

256までの和なので256×2-1=511

下の式は-1にはなっていないですね。-1してからどうしてるか考えてみると規則がわかります。

これらの計算は手間がかかります。

短縮できるかどうかで差がつくところなので知っておきたいです。

同じ数でつくられた数の和

123+132+213+231+312+321

各位に同じ数が登場する整数を合計する計算です。

今回だとどの位にも1と2と3が2回ずつ登場していますね。

(1+2+3)×2=12なので各位に12が登場するのと同じ結果になります。

12×100+12×10+12×1

=12×(100+10+1)

これなら簡単にできますね。

計算だけでなくカード並べの問題の設問でも登場する問題です。

平方数との差

2022×2022-2021×2023

上で紹介している分配法則をずらせば簡単に計算することができます

「2021が2023個」は「2021が2022個と1個」という状態

ということで2022×2022-2021×2022=2022と計算できます。

あと2021個引かないといけないので2022-2021=1

ただ実は一般にこのようになります。

A×A-(A+B)×(A-B)=B×B

九九の範囲で確かめてみるといいでしょう。

5×5-4×6=1

5×5-3×7=4=2×2

5×5-2×8=9=3×3

5×5-1×9=16=4×4

これがわかっていると普段の計算でも役に立ちます。

平方数を暗算で求める

平方数は覚えるということを聞いたことがあるでしょうか。

ただ37×37はおぼえていないですよね、多分。

37×37は40×34より9大きくなることを利用したら暗算で計算できそうではないですか?

46×46なら50×42+16

55×55なら60×50+25という具合です

あっという間に求められます。

覚えている平方数から暗算で計算する

逆に平方数を覚えている数から簡単に計算することもできます。

13×17は15×15より4小さくなります。

19×17は18×18より1小さくなります。

そう思うと平方数を覚えると計算スピードが上がるというのも悪くない話だと思います。

①とおいて計算する

□×11=□+11

不意に出されるとかなり正当率が低い計算問題です。

○を使った式の方がわかりやすいかもしれません。

⑪=①+11

この形だとわかりやすくなります。

⑩=11なので①=1.1です。

この計算自体は計算問題ではたまに特殊な問題として出題される程度ですが、文章題でこの計算ができるかどうかは、かなり重要です。

次の①をそれぞれ求めなさい

⑤+7=⑥+2

④-5=⑦-10

②+15=⑧-21

この計算は定番の形で知っておきたいです。

比例式の計算

①を使った計算とあわせて抑えたいのが比例式です。

(②+5):(③-10)=3:4

主な出番は倍数変化算です。

計算がかなり簡単になるので身につけたいです。

(③-10)×3=(②+5)×4

⑨-30=⑧+20

①=50

見てお分かりの通り数学ですね。

このレベルなら線分図を書くより計算できるようにしておくと難関校が視野に入ります。

暗算で解くこと重要性と筆算が正解と引換えに失っているもの

計算の工夫という力は、低学年からすこしずつ奪われていきます。

諸悪の根源は九九の丸暗記とかけ算筆算の丸暗記にあると思っています。

それが徹底されれば徹底されるほど、あとから急に計算の工夫を身につけるのは難しいです。

暗算で解く方法を考えよう

とすることが頭をつかうことにつながります。

もうこの子に頭を使わせるのは無理だ

そう思うまではなるべく暗算をさせてください。

計算を工夫する力は暗算しようとする気持ちと密接に結びついています。

6年生に詰め込むことは無理ではないとは思いますが低学年のうちから癖をつけていきましょう。

おすすめ

計算の工夫が身につく参考書

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冒頭でもお伝えしましたが、長年考えていた計算の工夫の3000題 問題集がついに完成しました。

ずっと完成しないかと思っていたのですが、計算の工夫を必ずたくさん出題する学校の受験生を個人的にみることになり、それがきっかけで作成しました。

はっきり言ってすべて含まれているので計算の工夫はこれだけで大丈夫です。ぜひどうぞ。

中学入試計算名人免許皆伝―計算問題が速く確実に解けるようになる本

これが一番いいです。2番目にいいです。

工夫以外にも四則計算や約数倍数、単位換算など1冊でちょっと欲張りすぎな印象はありますが、工夫自体はかなり網羅されています。

掲載されていないのは、ずらす分配法則と①計算と比例式ぐらいです。

結合法則をここまで意識しているテキストはなかなかないので、おすすめできます。

問題集というよりは参考書なので、付箋を貼って何度も確認するとよいでしょう。

参考書としては有用なのでこちらも併用するとよさそうです。

【保存版】 中学受験 算数 問題集 まとめ 問題集を追加で買って学習するなら何が効果的か。状況や目的別に紹介します。

計算の工夫以外の問題集についてはここで紹介しています。

いい問題集はたくさんあっても、状況によって取り組めるものとそうでないものがあります。

その点の優先度についてまとめているのでぜひどうぞ。

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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

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