全国でもトップレベルに難しい兵庫県の灘中学、その算数の問題を少しずつ紹介します。
灘中学は2日間に入試が分かれていて1日目は国算理、2日目は国算です。
今回は計算問題なので分数を身につけた5年生なら挑戦可能、4年生でも解けるかもしれませんが灘の計算は計算力だけではありませんよ。
灘中学の算数 2021年 1日目 1番
次の問題の□にあてはまる数を書きなさい
$$9\frac{32}{221}\div(1 \frac{1}{17}- \frac{□}{13} )=(12+19\times11)\times( \frac{1}{13}+ \frac{2}{17} ) $$どうでしょうか。小学6年生の算数も侮れないですよね。
でも中学受験の学習をしている子からしたら『灘でもこんな計算でるんだ』と思うかもしれません。
ぜひ一度解いてみてから続きを確認してください。
小学6年生がどんなレベルのことに挑戦するかわかるはずです。
今回はかなり221が見やすくなっています。
221=13×17なので221は消えそうだなと予想が付きます。
さらに12+19×11まで221なので221は全滅します。
4つの部分にわけてすべて計算してしまうと
$$9\frac{32}{221}= \frac{2021}{221} $$
$$(1 \frac{1}{17}- \frac{□}{13} )= \frac{18 \times 13-□ \times 17}{17×13} = \frac{234-□ \times 17}{221} $$
$$12+19\times11=221 $$
$$\frac{1}{13}+ \frac{2}{17} =\frac{17+2 \times 13}{13 \times 17 }= \frac{43}{221} $$
これらを合体させて
$$ \frac{2021}{221} \div \frac{234-□ \times 17}{221} =221 \times \frac{43}{221} $$
=の左側は分母が221なので分子だけ割り算したらいいことがわかります。
=の右側は約分して43ですね。
$$ 2021 \div( 234-□ \times 17) =43 $$
あとは普通の逆算ですね。
2021を何で割ったら43になるかはこの年の受験生なら全員知っています(中学受験の事情を知らないとこれはちょっと驚きますよね)
西暦に関係のある数字は覚えておくと役に立つのは灘に限りません。
$$ 2021 \div 43 =47 $$
$$ 234-□ \times 17 =47 $$
$$ □ =11 $$
計算方法をふりかえりましょうか。
今回ポイントになるのは=左側の( )の中の計算です。
こちらを通分しないまま逆算すると大変なことになります。
先に通分してしまうことで分母が221に揃って、計算手順を減らすことができました。
灘中に限らず、計算をしていく上でとにかく手を動かすのではなく式全体を見回して効率のいい方法を探ることはとても大切です。
ぜひ6年生になるまでの間に少しでも効率的な計算を意識するようにしましょう。
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