かけ算の筆算と九九の理想的な学び方
かけ算の筆算ができる子供に、なんでそのように書くと答えがでるのか聞いてみると「そう習ったから」「昔の人が決めたから」など言われた通りに覚えているだけというパターンは非常に多いです。
教えられた方法をきちんと覚えていることが学習だと思っている子は出来る子にも出来ない子にも非常に多くいます。
記憶が他の子より得意でないだけできちんと考えられる子が劣等生のように扱われ低学年で算数が嫌いになるケースは少なくないです。
低学年のうちに記憶で解くことを覚えた子が学年が上がるごとに成績を下降させていくことも珍しくないです。
かけ算の筆算はその最たるものです。
計算の工夫の大事な問題のひとつに分配法則というものがあります。
21×30+21×3=21×(30+3)
右の辺から左の辺への変化はかけ算の筆算そのものです。
本来、分配法則はかけ算の筆算と同時に理解できるはずなのですが、手順をただ覚えた子にとっては全然別物です。
暗記することは効率がいいように見えて、それぞれの単元がつながらなくなるという大きな弊害を含んでいます。
諸悪の根源は九九の丸暗記にあると思っています。
百人一首のように上の句(サブロク)を言われたら下の句(ジュウハチ)を唱えるような暗記学習を最初に重要視してしまうと今後の算数の学習に悪影響を与えてしまう危険性があります。
3×6は6+6+6=18だなと考える
この過程を全て飛ばしてただ結果だけ覚えるだと記憶力のない子供は自信をなくし、記憶力だけある子は今後の方向性を勘違いする、かけ算の筆算と同じ構図です。
そうなる前に、あるいはそうなってしまってからでも修正は可能です。
筆算を使わずにできるだけ頭の中で工夫しながらかけ算を考える矯正です。
暗算自体がそもそも受験ではかなり役に立ちますが、それに加えて数の感覚や思考力を身につけていくことをねらいとして問題集を作成しました。
かけ算の筆算をせずとも、×2は暗算でできるように
今回は×2から始めています。
あえて数字を×2に固定しているのは2という数にな慣れるためです。
最終的にはランダムな練習が必要ですがそれだけでは数の性質は身につきません。
×2は最も暗算しやすいかけ算で、すぐに2倍できることは大きな差につながります。
×2に絞ることで九九の範囲を大きく飛び越えたところまで一気にできるようにしていきましょう。
789×2
であれば700が2個、80が2個、9が2個と同義です。
700×2=700+700=1400
80×2=80+80=160
9×2=9+9=18
1400+160+18=1578
そろばんで計算する子と同じ方法なのですが、練習すればそろばんがなくても簡単にできるようになります。
最初は上に書いたようなメモを残しても構いません。
思考停止で筆算を書くより1000倍ためになります。
時間をかけてもいいのでぜひ身につけてください。
現在5年生ぐらいまでならまだ取り組む価値はあります。
6年生でも受験を考えていないならありでしょう。
×2に特化した限定無料問題集
noteというアプリで作成しています。
×2の計算を一枚10題、それを10日分無料公開しています。
年齢にもよると思いますが2年生ぐらいならそれだけやれば身につく子が多いかなと思っています。
最初は時間がかかると思いますが、大切なのは考えることです。
メモをとりながらで構わないので筆算なしで計算できることを目標にしてください。
10日では足らなかったという場合に、同じものを練習していただいても、似たような問題を作っていただいても大丈夫だとは思いますが、30枚追加で購入できるようにしています。
10枚やってみてもしまだ練習が足りないということがあったらぜひご利用ください。
おわりに
このようにnoteで問題集を作成することに力を入れています。
もう少し高学年向きのものは苦手になりそうなところで、かつ練習が必要な単元を中心に作成しています。
ぜひご利用ください。