こんにちは。TANUKIです。
久しぶりの記事な気がします。Twitterで軽くつぶやくのが手軽過ぎて遠ざかっていましたが、5年生の授業をしていてあまりに気になったので更新することにしました。
等差数列の和はわりと苦手な子が多い話のようです。かといってひたすら公式を覚えさせる作戦は実はあまりよくありません。応用は効かなくなりますし、ただ覚えたことは時間が経つと忘れます。覚えていたらラッキー程度にとどめて、忘れていても作り出せるようにしましょう。
等差数列の和がすっと理解できるかどうかは低学年のときからの計算方法に関係があります。
等差数列の和を扱うときはとりあえず子どもに次のような計算問題を自由に解いてもらいます。
99+100+101
8+17+26+35
8+9+10+11+12
7+9+11+13+15+17
2+5+8+11+14+17+20
等差数列の和の公式はただの計算の工夫です。簡単な問題からトライすればだれでも暗記に頼らず計算できるようになります。
7+9+11+13+15+17のような計算をどう解いているでしょうか。
どう解いても答えが合えば正解なのですが、普段から計算の工夫をしてきた子にとって等差数列の和は全く特別なことではないのです。
方法1
7と17をペア、9と15をペア、11と13をペアにする。
24が3つだから24×3=72
虹計算なんて言ったりする方法ですね。
方法2
13から11に数を1渡して両方とも12にする
15から9に数を3渡して両方とも12にする
17から7に数を5渡して両方とも12にする
すべて12になったので12×6=72
これは平均を利用した方法です。
この2つの計算の工夫は小学3年生でもほとんどが簡単に理解できます。これと同じことを10個や20個の和でも考えたらいいのです。
ただし方法1にも方法2にも弱点があります。
方法1は個数が奇数だと真ん中の数があまるので真ん中の数をみつけないといけません。方法2は全部同じ数にしようとしたときに小数になってしまい計算が面倒になることがあります。
それを克服した方法3が等差数列の和の公式として紹介される「2列用意して反対側を足してかけ算してから÷2するやつ」です。
この方法3は台形の面積の求め方と似ていますが、あまり自然な方法ではありません。忘れてしまうことも多いでしょう。算数の学習はテスト中に解き方を忘れても終わりではありません。
方法1のようにペアをつくって計算してもいいし、方法2のように全部を同じ数にそろえてかけ算してもいいのです。
それを繰り返すことで2列用意する考え方も自然と身につける日を待ちましょう。方法1、方法2がピンとこないうちはまだ数列の和を学習する段階にありません。
とりあえずまずは10個くらいまでのたし算で毎日5問程度練習することをおすすめします。一週間もあれば等差数列の和を求められるようになるでしょう。