中学受験算数の学習をしているお子様に限らずですが、「計算は好きなんだけど図形だけは嫌い、図形だけは苦手、図形を克服したい」
という子も少なくないのではないでしょうか。
とくに『くもん式』や『そろばん教室』で計算は得意というタイプの子は多いと思います。
教え子にも多いですし、実は私もそうでした。
しかし2つのポイントを守って学習すれば図形の苦手は必ず克服できるようになります。
今回の記事では図形を攻略するためにとても大切な2つのことを紹介していきます。
図形に大切な2つのこと、それを子ども達に伝えるには長方形が一番です。
まず図形の学習で一番大切なことは「定義」です。
定義というのは言葉の意味のことで、図形の名前は誰かが決めたものなので覚えなければいけません。
算数で暗記というと公式とか解き方とか計算とか思い浮かべられがちですがそれ以前に大事なのは言葉です。
「長方形とはどんな形か分かる人」と聞くと子どもは十中八九
「向かい合う辺の長さが等しい四角形」と答えます。
すぐさま黒板に平行四辺形を書いて、「これが長方形?」
と聞くと、なにかおかしいと気がつきます。今まである意味当たり前だった長方形イメージが崩れるわけですから子どもには衝撃があります。
そこでだれかが「わかった、角がすべて同じ四角形だ」と言ったところで正解です、となるわけですが、今度はここで新たな疑問が登場します。「正方形も入っちゃうじゃん」
子どもにとっては二つ目の衝撃、正方形も長方形の一種です。
長方形の定義はすべての角が等しい図形、正方形はこれを満たしているので実は正方形も長方形なんです。
正方形は四角形なのと同じように、実は正方形は長方形でもあるのです。
さて正方形は長方形なのはわかったけど、正方形は他にも性質があるよね。
「辺の長さが等しい」
長方形にはないこの才能だけを極めた図形が存在します。
それがひし形といって「すべての辺の長さが等しい」図形です。
長方形とはライバル関係です。
このように四角形の関係と言葉の定義を抑えることが図形の学習ではとても大切です。
定義の次に大切なことは根拠を明確にすることです。
簡単な例だと公式を覚えることではなくて公式の意味を理解することが非常に大切です。
長方形の面積がなぜたてと横をかけざんするのか。
なぜひし形の面積は対角線と対角線をかけてから2で割るのか。
そういったことを図を使って抑えることが、そのまま複雑な図形になったときにも力として活きていきます。
まずはすべての面積公式を説明できるようにする。話はそこからです。
ハイレベルな例では次のようなこともあります。
「平行四辺形の向かい合う角や向かい合う辺の長さが等しくなる理由説明」
「ひし形の対角線が垂直に交わる理由説明」
「正方形の対角線の長さが等しく、垂直に交わる理由説明」
図形問題こそなんとなくで解きがちです。根拠を明確にしていきましょう。
以上まとめると図形の学習で大切なのは
・定義を覚えること(公式ではありません)
・根拠を明確にすること
上の2つを守っていろんなパターンを練習していけばいくらでも上達していきます。
パターン練習はこちらの記事をご覧下さい。
中学受験 平面図形 苦手克服 しないともったいない 実は偏差値を一番上げやすいのは図形問題で、どの偏差値層でもやる価値があるという話(4~6年生向け)