こんにちは。TANUKIです。
今回は小数のわり算についてお伝えします。
小数に限らずわり算でとても大切なことの1つに
「わる数とわられる数の両方を同じ数で割ったり、同じ数をかけたりしても点“商”は変わらない」ということがあります。
0.4÷0.08=40÷8
としていいのはこの性質で割る数とわられる数を100倍しているからです。
変わらないのは商だけであまりの場合は気を付けないといけませんが、あまりのあるわり算の出番の方が圧倒的に少ないのでまずはこの性質を身につけるべきです。
ここから応用編です。
65.34÷0.8712
どう解きますか?
私は計算の工夫こそ得意ですが、暗算はそれほどではありません。これを正面突破するほどの暗算力は持ち合わせておりません。工夫でクリアするわけです。
計算を習い終えた段階で、この式を見た瞬間、筆算書いているような子はまだまだ二流です。これは分数にして約分するのが最良でしょう。
じゃあまだ分数を習っていない4年生は正面から解くしかないのか?
コツをつかめばそんなことありません。
65.34÷0.8712
・1つめのポイント 「小数の大小関係」
今回の計算をおおざっぱに言うと65くらいの数を1より少し小さい数で割る計算です。となると65より少し大きい数になるわけです。64÷8=8だから80くらいになる。それさえわかれば小数のことは気にせず6534という数を8712という数で割って80くらいになるように桁を合わせればいいわけです。
6534÷8712
2つめのポイント 「わり算の性質」
冒頭で伝えた最も大事なところがここです。分数にして約分を利用した場合、この部分は説明不要になるのですが、分数を習う前からわり算の性質を使って計算練習をすることで、分数の約分を習ったときすぐに要領を掴むことができます。
「わり算の割る数と割られる数をそれぞれ何倍か、あるいはなにかで割っても商は変わらない」
この性質は突拍子もないものでは決してなく、150÷30などの大きな数のわり算や、1.5÷0.3など小数のわり算で÷10や×10として自然に使っている性質です。
6534も8712も一の位が偶数なので半分にできます。
ゆえに
6534÷8712=3267÷4356
少し発展的な内容です。ここまでしなくても商が出る問題が多いですが最上級の例だと思ってください。
・3つめのポイント 3で割れる数
多くの学習の仕方では5年生で倍数を習ったときに学習することですが、私は三年生くらいからちょくちょく話してしまいます。「各位の数を足して3で割れる数は3で割れる」という性質。
3+2+6+7=18
4+3+5+6=18
どちらも3で割れる。(ちなみにこのときに9で割れるのであれば元の数も9で割ることができるというテクニックも使いますが五年生以上向けです)
3267÷3=1089
4356÷3=1452
1089÷1452ですがまだ両方3で割れます。
1089÷3=363
1452÷3=484
363÷484
・4つめのポイント 「かけ算による分解」
片方だけ、かけ算で分解します。素因数分解と呼ばれるものですが素数を習う前は分解するとだけ伝えます。ポイント2、3なしでこれでもいいくらいなんですが、ここまでしなくてもできる問題も多いので順を追って説明しました。
363は先ほどの話で明らかに3で割れるので363÷3をしてみますと
363÷3=121になります。
121=11×11も必ず覚えることですが今回はそれはいいです。
ここまで来れるようになっていれば121を4倍したら484になるってことに気がつく方は多いと思います。
つまり363と484は両方とも121で割ることができ3と4になるわけです。
363÷484=3÷4=0.75
ゆえに答えは75
解くときの思考の流れを確認すると
65.34÷0.8712
答えは80くらいかな。
まず両方半分にして……おっ、両方そこから3で二回割れるな
363÷484か。
363は121の3倍だし、484は4倍だ。
3÷4=0.75(←これは暗記推奨)
80くらいだから75だ。
(目標所要時間2分)
※受験生になるまでは計算の工夫で実用性だけを求めてはいません。この問題であれば割りきれることがわかっているので、よっぽど慣れていないと筆算の方がはるかに速いでしょう。
しかしそうではなく数の思考をすることに慣れてほしいのです。数の感覚を身につけた子は後に大きな武器になります。問題を前に思考する力をつけやすいのも計算の工夫です。
ぜひお子様を計算機にしようとせず、思考力を育ててください。