今回の問題は中学受験だけでなく高校受験や大学受験でも十分役に立つ内容です。
算数・数学が得意な子でも場合の数だけは極端に苦手というケース、珍しくありません。
逆に算数・数学が得意でない子でも場合の数だけはできるという子もいます。
場合の数の中で、一番基本的な問題といえばカードを並べて整数をつくる問題です。
この一番の基本的な部分を徹底的に鍛えることで場合の数を得意にしていきましょう。
今回の記事ではカード並べのポイントを紹介するとともに練習用問題プリントを紹介しています。
したで例に出している問題はそこからの抜粋です。
カード並べの問題とは
こういった問題のことです。
整数を書き出していくという方法が最も基本で、基本こそ大切ではあるのですが、量が増えてくるとなかなか難しいです。
初見であれば書き出していいものの、簡略化して解く方法を追求することも忘れないで欲しいです。
整数(1の倍数)をつくる問題
全てを並べる問題です。自由度は高いですが0が入っているときは気をつけましょう。
万の位には1、2、3、4の4枚だけを並べることができます。
1を最初に並べた場合、千の位に並べられる数は、0234の4通りあります。
そこでどれか一つ並べたとすると今度は百の位に並べられる数が3通り、十の位に並べられる数が2通り、一の位に並べられる数は残った一枚となっていきます。
3通りそれぞれに2通りあるので6通り、それが4通りで24通り
1から始まるものだけで24通りです。
234のパターンも考えて24×4=96通りとなります。
振り返ると
(万の位に来れる数)×(千のくらいに来れる数)×(百の位に来れる数)×(十の位に来れる数)×(一の位に来れる数)
4×4×3×2×1=96です。
どのカードを並べようとも次のカードの並べ方には影響しないため単純なかけ算で解くことができます。
この「次のカードに影響しない」というのはとても大切な視点になります。
偶数
一気に間違えが増える問題です。特に今回は5枚もあるので計算で解く場合が多く間違えやすいでしょう。
72通りや64通り、54通りが多い間違えです。意味を理解していないと288通りなんて答えも出てきます。
偶数なので一の位が024のどれかです。
ここでポイントになるのが、0のときと2、4のときでその後のカード並べに影響が出るということです。
影響がでるときにかけ算だけで求めようとすると間違えてしまいます。
一の位が0のときと2、4のときで場合を分けて考えましょう。
0のとき
残りは4枚から3枚をただ並べればいいので、4×3×2=24通りです。
2、4のとき
千の位だけは0が来てはいけないので先に考えます。先に十の位などを決めてしまうと、0を選ぶか選ばないかで次のカードに影響が出ます。
千の位は3通り、百の位は残った3通り、十の位は2通りです。
3×3×2=18通り
2と4の場合同じ数あるはずなので、18×2=36通り
24+36=60通りとなります。
奇数を引くという方法もある
整数は偶数以外は奇数であるという考え方を使うと少し易しくなります。
整数は全部で96通りあります。
奇数は一の位が奇数になるので今回だと1か3、どちらの場合も次のカード並べに影響しないので場合分けが不要です。千の位は、一の位のカードと0を除いた3通り、百の位は2枚除いた3通り、十の位は2通りです。
一の位は最初に2通りきめたので2×3×3×2=36通り
全体-奇数=96-36=60通りです。
奇数の方が計算が簡単という意味だけでも採用する価値のある方法ですが、この方法も学習することで、逆を求めて引いてもいいんだという発想が他のいろんな問題でも役にたちます。
3の倍数
3の倍数は各位の和が3の倍数になるということが最大のポイントです。
並べ替えはあとにしてその組をまずは見つけることが大切です。
組を見つけるときにもポイントがありますが、その部分については扱ってくれる先生とそうではない先生がいそうです。
あまりで分類して3の倍数になる組を見つける
使えるカードを3で割ったあまりで分類することが大切です
あまりが1になる(1グループ) | あまりが2になる (2グループ) | あまりが0になる (3グループ) |
1、4 | 2 | 0、3 |
今回だと上の表のようなイメージです。
使われる数字によって変わってきます。
各位の和が3の倍数というのは実は、各位を3で割った時のあまりの和が3の倍数と考えることができます。
3桁の3の倍数をつくる場合は、同じあまりのグループから3つを抜き出すか、各グループ1つずつ抜き出すしかありません。
今回の場合、同じあまりのグループで3つは抜き出せないので、それぞれひとつずつ選んだ
(1、2、0)(1、2、3)(4、2、0)(4、2、3)の4種類しかないことが確定します。
あとはそれぞれを並べ替えて和を出せば終了です。
0がはいるときとそうでないときで数は変わるので注意すると4+6+4+6=20通りとわかりますね。
このようにあまりで分類することで、まだあるかもしれないという不安を消すことができるのでかなりオススメです。
同じ数を含む場合
同じ数を使うときはより慎重に考える必要がありますが、上の例だと簡単に計算で求められます。
(1)は01234のときと比べて01335となっていますが、4が5に変わって、2が3に変わったと考えられます。
4→5は整数の場合の数には影響しません。
2→3の場合はいままで2と3が並んでいた部分がすべて3と3になるわけですから、23も32も区別がつかなくなります。
半分になってしまうので先ほど計算した96÷2=48で終了です。
(2)はまず一の位が0確定です。
残り1335を並べるのは、1235を並べることと比べると半分の場合の数になります。
24÷2=12通りです。
同じ数を並べるときに、違った数を並べる時とどう変わるのかを意識すれば簡単な計算で求められることも多いです。
(3)は先ほどのあまり分類を使います。
あまりが1になる | あまりが2になる | あまりが0になる |
1 | 5 | 3、3、0 |
先ほどと大きく変わっていますね。
あまり0グループに数字が3つあるのでこれだけで作ることもできます。
あまり1グループとあまり2グループには一つずつしかないので、3つのグループから数字を選ぶなら、1と5は確定します。
以上より
(3、3、0)(1、5、3)(1、5、0)の3組しかありません。
これらを並び変えて、2+6+4=12通りとなります。
練習問題プリントで反復しませんか
https://note.com/juken3su/n/na2353a8cc66a
現在こちらで場合の数「カード並べ」の練習プリントを販売しています。
サンプルはこちらです。
苦手とする子が多い単元です。
ぜひ練習を重ねて身につけてください。