今回は国語の記述問題についての記事です。
塾や家庭教師先で国語があまりにできていないから少し見てみるかということを続けているうちに身についた記述問題への取り組み方を伝えていきます。
国語の記述が苦手です という相談は間違っているという話
受験生や保護者の方に「記述が苦手です」という相談を受けることがあります。
実はこれ間違いです。
国語がよく出来る子とそうでない子のテストの正答率を見比べると、記述でも選択肢でも抜き出しでも、どの解答形式だろうと、国語がよく出来る子とそうでない子の差は変わりません。
記述が苦手と言っている子は記号の選択肢問題も、抜き出し問題も苦手なのです。
ではなぜ記述を苦手と認識するか。それは記述は「面倒なので書いていない」ことが多いからです。
選択肢問題は時々、偶然でも正解するので、より空欄の記述問題は目立ちますよね。
国語が苦手だと感じている子ほどめんどくさがりで、「とりあえず選べばいい記号問題を、次に探せばいい抜き出し問題を、時間余ったら記述書くか」のように解答していきます。
記述を書く頃には時間もなくて、白紙になるか、焦ってテキトーに書くか、中途半端なところで時間が来てしまうという話ですね。
記述は苦手じゃないめんどくさいんです。
記述が書けていない答案を見ると「なんで記述書かなかったの?」と大人から追求されます。
「めんどくさいから!」と元気よく答える子はあまりいないですよ、怒られるのを学習しています。
子供の立場に立って考えれば「記述は苦手だから、何書いていいかわかんないから書かなかった」というしかないですよね。
実際に面倒だから記述が苦手という子は記号の問題でも抜き出しの問題でも面倒なことを避ける解き方をします。
選択肢は本文と解答設問こそ大事なのに、選択肢だけ比較して「うーん、こっちのほうがなんかいい感じ」と選びます。
抜き出しは字数しか気にしません。たまたま近くにあれば正解しますが、字数がぴったりだからという理由で全く繋がらないところを平気で抜き出します。
まずは面倒な子の解き方をやめさせることから始めましょう。
自称・記述が苦手な子に対する対応方法
「面倒なことはやりたくない」
人間だれでもそうですが、それでも「面倒でもやるとやらないでは大きな違いがある」
と思っているから人は面倒なことにも我慢して取り組むわけです。
面倒なことを後回しにする癖を日頃の生活からなくしていったほうがいいかもしれません。
もしかすると保護者の方も面倒が口癖になっていたりしませんか?
国語に限らない問題で時間がかかります。
算数でも場合の数、食塩水あたりの単元は面倒だけどきちんと整理すればできる単元です。
算数が苦手ではないなら、こういった単元できちんと書かせることから始めていくという手もあります。
算数はめんどくさがりで逆にうまくいく部分(計算の工夫を筆頭に頭を使ってラクできる)と、めんどくさがりが失敗する部分(計算を省略して間違える、整理を怠る、チェックを怠る)があります。
国語はめんどくさがりでうまくいく部分より失敗する部分の方が目立ちます。
女の子より男の子の方が苦手な子が多いのはこういう部分かもしれませんね。
面倒だけどきちんと取り組んだほうがいいね
世の中にはそういうことがたくさんあると教えてあげましょう。
記述問題のおさえておきたい基本事項
そこまで専門的なことではなく超基本事項ですが、こういったこともあまり知らない、意識していなことは多いように感じます。
国語の成績がいい子もそうで、感覚で書いている子が意識すると成績アップにつながります。
一度確認してください。
- 主語、述語が書かれた文章になっているか
- 字数は指定の8割以上書いているか
- 口語体で書いていないか
- 必要なキーワードは書いているか
- キーワードを膨らませていく形で書いているか
- 句点も含めて文末表現は正しいか
- 自分自身の書いた記述は読み直しているか
- 問題で指示されている条件に合った答え方をしているか
- 設問の内容に答えているか
- 言葉を補わなくても、その文章だけで意味が伝わる書き方になっているか
記述問題のふりかえり方
算数はやり直しをするけれども、国語はやり直しなんてしない
という子 多いのではないでしょうか。
記述問題のふりかえりとしてまず大前提で「テスト中に書かなかったものは答えを見る前に書きましょう」
これを徹底すれば(させれば)どうせテスト後に書くのであればテスト中に書こうという気持ちになるかもしれません。
記述のふりかえりで大切なのは
自分の解答と模範解答を比べる
ということです。
比較した時に足りない要素はないか考えましょう。
一見足りているように見えても「自分の書き方では具体的ではない」とか「言葉を補わないと伝わらない」という部分を探してみましょう。
また模範解答をとりあえず写すのも意味はあります。
主語述語の関係や対比する表現の書き方、心情記述のふくらませ方など、書いてわかることもあると思います。
足りない要素が見つかったらそれは、次は自分の記述のいらないところを削らないといけないはずです。
どういうところは解答として必要ないのか、考えてみましょう。
そこまで分析が終わったら、もう一度自分の言葉を残しながら記述答案を作ってみてください。
国語の記述は書き直しまですることが大切です。
面倒ですが、国語の学習をするときにめんどくさいは一番の敵になります。
めんどくさいを克服して記述を得意にしてください。
記述が苦手 についてのまとめ
- 記述が苦手は子どもが大人に怒られないためのうそ。本当は「めんどくさい」と思っている
- めんどくさいけどためになる事例を与えて実感させる必要がある
- 国語の記述だけは必ずもう地度書くようにして、どうせあとでめんどくさいなら今やるかと思わせる
- 記述の基本的な部分を知らない場合はまずはそちらを確認する