中学受験算数勉強方法

流水算はいつも4つの速さに注目する

 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

こんにちは。TANUKIです。今回は特殊な速さのひとつ「流水算」についての記事です。

突然ですがアメリカに行ったことありますか?
飛行機でアメリカに行く場合と帰る場合、どちらが速いか知ってますか?

社会の問題です。
行く場合の方が速いです。偏西風という風が吹いているから。帰りは風に逆らうので遅くなります。

流水算は、川の流れによって速くなったり遅くなったりする速さを捉える問題です。

流水算は4つの速さを押さえましょう。

上りの速さ……川を上る速さ。上るとは流れに逆らうこと。逆らうのでその分遅くなる。川が速すぎると上れなくなる

下りの速さ……川を下る速さ。下るとは流れに乗ること。流れの分だけ速くなる

静水時の速さ……船そのものの速さ。静水とは流れのない水のこと。流れに身を任せる船ではなくエンジンがある船を意識する

川の速さ……川の速さがあるおかげで、上りと下りの速さが変わることになる

このうち2つの速さが分かっている(あるいは比が分かっている)ときに残りの速さも求められます。

川と船なら船+川で下り、船-川で上り

川と上なら川+上で船、船+川で下り

川と下なら下-川で船、船-川で上り

船と上なら船-上で川、船+川で下り

船と下なら下-船で川、船-川で上り

もちろん覚えてもしょうがないのでしっかり理解することが大事です。

上記5パターンより少し難しいのが次のパターンです。

上りと下りがわかっているケース
上りの速さとは船-川
下りの速さとは船+川

船と川の速さの和と差になっているので和差算が使える
船=(上り+下り)÷2
川=(下り-上り)÷2

流水算の問題は倍数変化算とも結び付いたりする比の問題にしやすい。関係を式や線分図に整理することが大切です。

あとは4つのうち2つ速さが比として与えられている問題もあります。

例 船がある川を上るのに3時間、下るのに2時間かかります。この川の流れが時速1kmのとき川の長さを求めなさい。

解説
上りと下りの速さの比は時間の逆比
2:3になる。
川の速さは(下り-上り)÷2=0.5
これが時速1kmにあたる。
下りの速さは時速6kmになる。
6×2=12km

流水算は速さが4つあり、そのうち2つを三公式で求めたり、比であらわして残りの2つの正体を探る。これが鉄則です。

速さで難しいものと言えば進行グラフではないでしょうか。ポイントはコチラ

進行グラフと比の攻略

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