中学受験算数勉強方法

中学受験 算数 の 単元 全体像を把握することで戦略的に学習する単元を決めて偏差値を上げることをめざしませんか

2021/11/09
 
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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

中学受験算数の全体像を把握する

中学受験塾で算数の学習をしていると今この学習は将来どうつながっていくのか、いつまで新しい単元を習うのかと不安になることがありませんか。今回の記事では 中学受験算数の全体像を掴むことでなにが得意でなにが苦手、ということや、中学校ごとにどんな問題が出題されるかの分析に役立てられたらと思って書いています。

これが理科なら「生物」「地学」「物理」「化学」で社会なら「地理」「歴史」「公民」だと思います。

 

場合の数 (順列、組み合わせ) (数と場合) (平面と場合)
  規則性 (数列) (周期)  
  数論 (約数倍数) (あまり)  
         
文章題 和と差の文章題 (鶴亀算、和差算) (過不足) (消去算)
 
割合、比の文章題 (倍数算、平均算) (濃度算) (仕事算)
  速さ (速さと比、グラフ) (速さと図形) (速さ特殊算)
         
図形 平面図形 (直線図形、円) (相似、比) (動く図形)
  立体図形 (求積) (切断) (水位変化)

※おおまかな分類です。実際には複合問題もありますね。

 

算数の全体を大きく分けると次の3つです。

「数」、「文章題」、「図形」

「数」の単元は簡単にいうと数えたらできる問題をうまく数える方法を考えようという単元です。代表的な内容でいうと(場合の数)(規則性)(数論 ※倍数約数、あまりの問題)などですね。低学年でも取り組みやすい反面、できるようになるのには最も時間がかかりそうです。公式を覚えることとは真逆のアプローチが有効になる子が多く、きちんと数えることを第一にして欲しい単元です。わからなかったらとにかく数えるということが通用するので算数が苦手な子も得点源にしやすい単元です。特に「数論」と「場合の数」は最難関校でもよく出題されますし、大学受験でも定番です。

数の単元の記事はこちら

 

「文章題」の単元は式を使って答えを求める問題もことです。中学だと方程式の学習でよく題材にされますね。中学受験塾独特の「特殊算」なんかもこの単元ですね。内容としては、(和と差の問題)と(割合や比の問題)に分けられますが、中でも最も難しく、最難関校でもよく出題されるのは(和と差)と(割合、比)の両方をフル活用する「速さ」になります。逆に速さ以外の文章題について上位生が苦手としているケースは少ないです。乱暴な言い方をすると上位にいくためには文章題はできて当然とも言えます。

文章題の記事はこちら

 

「図形」の単元は(平面図形)と(立体図形)ですね。速さと混ざって動くこともあります。図形の力は低学年から養っていきたいです。公式は与えずに知恵をしぼって考えられるような図形問題に低学年から触れている子はすっと入って来やすいです。難関校の問題になると大人でもそう簡単には解けません。「なぜそこに補助線を引いたのか」「なぜその部分の面積に注目したのか」などを言葉でふりかえりをしていくことで少しずつ得意になっていく単元です。中学受験算数の単元で、最も練習が実を結ぶ単元かもしれません。

図形の記事はこちら

 

 

 

中学受験 算数 単元 全体像を把握したら偏差値別に勉強しやすい単元を攻略する

もちろん得意不得意は個人によって違いますが偏差値別に苦手な単元の傾向がだいたいつかめます。

偏差値40に届かない子は数の単元の(場合の数)、(規則性)と(平面図形)、(立体図形)を強化すべきです。このあたりの単元の基本問題ができていれば40を切ることはそうそうありません。(計算が極端に苦手な場合は無理です。まず計算を身につけましょう。)

数の単元は公式を全部捨てて数えましょう。公式を覚えても丸暗記にしかならず、この単元では使いどころが難しいので逆効果です。書いて数える、その過程で計算方法が思いついたら省略する、それを繰り返すうちに公式が知らず知らず身に付きます。

反対に図形問題は6年生以降になったらもう解き方を覚えましょう。図形問題にはビジュアルがある分、圧倒的に記憶に残りやすいです。

数の単元と図形の単元の基本を身につけて偏差値40を超えてきた子が偏差値50付近まで行くには文章題の強化が必要です。まずは特殊算などの和と差の文章題がとっつきやすいでしょう。(和差算)(つるかめ算)(過不足算)(消去算)から初めます。その後(売買算)(倍数算)(平均算)(濃度算)(仕事算)(旅人算)あたりの比の基本分野を総ざらいしましょう。そこから更に速さの特殊算(通過算)(時計算)(流水算)や仕事算の進化系(ニュートン算)あたりまで基本問題をおさえたら55付近まではいけるはずです。

偏差値55を超えてきたらいよいよ難しい単元を一つ一つ攻略、克服してく必要があります。

(数論の基本問題)(速さ+平面)(平面図形の相似、面積比)(動く平面図形、立体図形の水位変化)

このあたりの単元の一部あるいは全部に自信がないケースが多いです。このあたりの単元が克服できれば60というところでしょう。

60以降は最難関校定番単元の強化でしょう。

数からは(数論)(場合の数)

文章題からは(速さと比ダイヤグラムなど)

図形からは(平面図形の総合問題)(立体図形の切断)

受験がいつ受けてもいいならこの順番に攻略していけばいいですが、受験が近くなると全てに費やすのは難しいです。自分が行きたい学校によく出題される単元を優先して力をつけていく必要があります。現在5年生以下で、模試の対策がしたいならぜひこの順番に取り組んでみてください。

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大手中学受験塾で主に算数の講師をしています。算数以外にも受験生の学習方法や進路相談などもしております。それらの業務で経験していることをお伝えしていきます。

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